NTT西と建ロボテック、鉄筋結束作業の8割をロボット遠隔操作に:ロボット
西日本電信電話および建ロボテックは、現場技術者の鉄筋結束作業の約8割をロボットの遠隔操作に置き換えることに成功したと発表した。ロボットが備えたカメラの映像を見ながら操作できるシステムを用いている。
西日本電信電話(NTT西日本)および建ロボテックは2023年6月、現場技術者の鉄筋結束作業の約8割をロボットの遠隔操作に置き換えることに成功したと発表した。
両社は、2023年5月2日および8日に、NTT西日本旧本社ビルの建て替え現場で実証実験を実施した。ロボットの遠隔操作は、香川県に所在する建ロボテックの本社ビル内で実施している。
ロボットが備えたカメラの映像を見ながら、ロボットを遠隔操作して制御できるシステムを用いた。ロボットの作業量や移動履歴、バッテリー残量といったステータス情報をクラウドにアップロードすることで、現場の技術者と同程度に遠隔操作者が状況を把握できるものとなっている。
ロボットは、建ロボテックが開発した鉄筋結束ロボット「トモロボ」を採用。合計6カ所のカメラをトモロボに設置しており、現場状況の把握が容易となっている。また、進行方向を決定し、発進などの基本指示を出した後は、ロボットが自走するような操作性を備えた。
実証実験の結果として、現場技術者による鉄筋結束作業の80%をロボットが代替できることが判明した。このうち、トモロボによる削減効果が約50%、遠隔操作による削減効果が約30%となっている。
NTT西日本は今後、日本の建設現場におけるさまざまな環境に適応したサービスの具体化を検討する。また、ロボットによる建設現場での課題解決にともに取り組むデベロッパーや鉄筋事業者を募集する。
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