鉄筋結束の自動化ロボ「トモロボ」が米国規制に対応:ロボット
建ロボテックは、鉄筋結束を自動化するロボット「トモロボ」を米国の各種規制に対応させ、米国市場で本格的に販売を開始する。
建ロボテックは2023年4月13日、米国の規制に対応した人の代わりに結束作業を行うロボット「トモロボ」の開発が完了したと発表した。
トモロボの機体ユニットを分割可能に
建ロボテックでは先立つこと、米ラスベガスで2023年1月17〜19日に開催された建設見本市「World of Concrete 2023」に、トモロボの実機を展示し、多くの反響があったという。そこで米国進出に向け、日本国内で展開しているトモロボの米国規制対応機を開発することとなった。
米国の規制への対応としては、米国労働安全衛生局(OSHA)の労働安全衛生法により定められた米国防火協会の規則「NFPA70」「NFPA79」「NFPA791」に準拠させた。
本体のカバーやケーブル、充電器など、既存機では現行規制に対応していなかったため、該当する対応部品と交換した。特に充電器は電圧が違うため、120ボルトにする必要があった。
また、色に関する規制もあるため、リセットボタンの色を変えた。同時に、日本語表記だった既存機のスイッチ部分や注意喚起の表示などを英語化し、既存機にはなかった禁止マークのシールも追加した。
また、既存機では機体1つのユニットで構成していたが、左右中央の3つに分割できるユニットにした。壊れた場合に破損箇所があるユニットのみの交換で済み、簡単にメンテナンス可能になった。
建ロボテックによると、米国規制への適合にあたり、米国の安全性に関する規格や法規制について知見がなかったので、開発計画が立てられなかったという。そこで、MTEP(広域首都圏輸出製品技術支援センター)の技術相談員に相談し、法規制のアドバイスや改造点の指導、評価レポートの作成などの支援を得て、完成に至ったとしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 第7回 ジャパンビルド−建築の先端技術展−:ビプロジーが提案するビル管理のDX 巡回型ロボットでFM業務を効率化
現状でビル管理は、人力によるアナログで行われている業務がまだ多い。ビプロジーは、点検ロボットが取得したビル運用に関するデータを一元管理し、ビルの運用/維持管理をデジタル化するソリューションを提供している。 - ロボット:清水建設が「自動マーキングロボ」で、床版更新工事の墨出しを9割省人化
清水建設は、東名高速道路の床版取替工事にデンマーク製自動マーキングロボット「タイニーサーベイヤー(Tiny Surveyor)」2台を導入し、橋面の墨出し作業で生産性を約90%向上させることに成功した。 - 第7回 ジャパンビルド−建築の先端技術展−:日本一の超高層ビル「麻布台ヒルズ」建設で、清水建設がチャレンジした建設DXの足跡
2023年秋に開業する「麻布台ヒルズ」の建設プロジェクトで、清水建設は約330メートルのメインタワーを含む“A街区”を担当した。1日5000人を超える作業員が働く建設プロジェクトでは、清水建設の建設DXが余すところなく採り入れられたという。 - 5G:障がい者が操作する分身ロボットの接客カフェ「DAWN ver.β」で5Gの遠隔操作を実証
NTT東日本など3社は、分身ロボット「OriHime-D」が接客する「分身ロボットカフェDAWN ver.β」で、ローカル5Gと端末同士の通信品質を制御する技術を組み合わせ、障がい者が武蔵野市のセンターからロボットを遠隔操作する実証実験を実施した。 - 調査レポート:野原HDが建設業従事者1000人に業界イメージを調査「深刻な課題は人手不足、BIM/CIMの現場導入はこれから」
野原ホールディングスは、建設業界従事者1000人を対象に建設業界イメージ調査を実施した。その結果、最も深刻な課題は「人材不足」で56.5%となり、その主要因として働き方や給与(待遇)が挙がった。 - Archi Future 2022:スマートビルのアーキテクチャ設計でSociety 5.0実現へ DADCがBIMやビルOSの活用で構想する未来像
スマートビルを起点に、サービスやプラットフォームの連携を都市レベル、社会レベルへと拡張し、人間中心の社会=Society 5.0の実現を目指す、情報処理推進機構(IPA)傘下の「デジタルアーキテクチャ・デザインセンター」。スマートビルのアーキテクチャ設計が向き合う課題と、その未来像とはどのようなものか。