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大阪・関西万博会場にNECの顔認証導入、入場管理で120万規模 「手ぶら決済」も可能に大阪・関西万博

NECは、大阪・関西万博の入場管理と店舗決済に顔認証システムを提供する。国内の顔認証提供事例として最大規模の120万IDを想定している。

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 NECは2024年5月23日、「2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)」の入場管理と店舗決済に、NECの顔認証システムが採用されたと発表した。複数回入場可能なチケットを対象に、顔の追加認証を行うことで貸し借りよる「なりすまし」を防止するととともに、顔認証で買い物ができる「手ぶら決済」により来場者の利便性を高める。

 NEC Corporate EVP兼国内営業統括 松原文明氏は「顔認証をはじめとした生体認証技術は、NECデジタルプラットフォームの中核をなす技術だ。顔認証だけでなく、虹彩、指紋などで世界有数の技術を保有している。NECが万博で目指すのは、世界ナンバーワンの技術とデジタルの力で人と社会、世界をつなぎ、未来をデザインすること。万博の運営や、その先の未来社会に当社のアセットで貢献していく」と話した。

(左から)大阪・関西万博公式キャラクターミャクミャク、2025年日本国際博覧会協会企画局長 河本健一氏、NEC Corporate EVP兼国内営業統括 松原文明氏、NEC大阪・関西万博推進室長 高橋篤史氏
(左から)大阪・関西万博公式キャラクターミャクミャク、2025年日本国際博覧会協会企画局長 河本健一氏、NEC Corporate EVP兼国内営業統括 松原文明氏、NEC大阪・関西万博推進室長 高橋篤史氏 筆者撮影

入場管理の登録数は国内最大規模の120万IDを想定

 顔認証による入場管理は、会期中に複数回入場できる「通期パス」と「夏パス」の購入者を対象に実施する。会場入り口の4分の3に当たる51カ所の入場ゲートに顔認証を搭載し、対象パスを持った人が入場する際に、チケットのQRコードをゲートにかざした上で、顔認証による追加確認を行う。登録者数は120万IDを想定しており、NECの調べによると、国内の顔認証提供事例として最大規模となる。

 また、顔認証の決済サービスは、大阪・関西万博独自の電子マネー「ミャクペ!」に会員登録した来場者であれば、チケットの種類を問わず利用できる。事前に顔情報と決済方法を登録することで、両手がふさがっていても端末に顔をかざすだけで決済が完了する。決済方法はミャクペ!の他、クレジットカードなども選択できる。

 会場内には約1000台の決済端末機の導入を予定しており、電子マネーと顔認証がひもづく決済運用事例としては、国内最大規模を見込んでいる。なお、決済端末はSMBCグループの「stera terminal(ステラターミナル)」に、顔認証用アプリを搭載して使用する。

ALTALT 顔認証決済のデモンストレーション。端末に顔をかざすと(左)数秒で決済が完了した(右)

 顔登録の開始は2025年1月頃を予定している。登録はスマートフォンやカメラ付きのタブレットから行い、マスクやサングラスを外した状態で撮影した写真を使用する。なお、通期パスと夏パスのチケット購入者は、一度の顔登録で会場内決済と入場の両サービスを利用できる。登録した顔画像などの個人情報は、国内のプラットフォームに保存し、利用者の同意なしに他の用途では使用しない。

 万博会場では全面的なキャッシュレス決済を導入する方針で、国内主要ブランドのクレジットカードや電子マネー、バーコード決済など60ブランドに対応する。現金を扱わないことで、決済自体の時間短縮に加え、デジタル化により売り上げ管理も省力化する。

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