大修繕中の分譲マンションに長谷工がICTサービス導入、工事情報を居住者に見える化:スマート化
長谷工コーポレーションは、大阪府堺市の既存分譲マンション「サウスオールシティ」に、顔認証システムなどのICTサービスを実証導入した。既存分譲マンションへのICT導入は今回が初めて。
長谷工コーポレーションは2024年3月29日、ICTサービスの導入ニーズや運用上の課題を検証するため、大阪府堺市に位置する大規模修繕工事中の分譲マンション「サウスオールシティ」に、顔認証システムなどのICTサービスを実証導入したと発表した。長谷工グループは賃貸マンションを対象にICTサービスを提供してきたが、既存分譲マンションへの導入は今回が初めて。
実証導入は、長谷工アネシス、長谷工リフォーム、サウスオールシティ団地管理組合と共同で実施した。サウスオールシティは3棟の住宅棟と1棟の共用施設棟から成る総戸数791戸の大規模マンションだ。2022年11月、長谷工リフォームが大規模修繕工事を実施するタイミングでICTサービスの検討を開始し、大規模修繕工事のDXに着手した。
ICTサービスの導入により、従来紙で掲示や配布を行っていた工事情報を居住者用のアプリやサイネージで配信し、いつでも最新情報を確認できるようにした。また、マンションエントランスや工事作業員用ゲートへ顔認証システムを導入してセキュリティを強化した。加えて、共用施設の混雑度可視化システム、宅配ボックス着荷通知システムなどを導入し、利用状況などを居住者に提供することで利便性を向上した。
さらに、マンション内に気象センサーと加速度センサーを設置し、ピンポイントの気象情報をリアルタイムに、地震発生後には地震情報(計測震度)を速やかに提供する。計測データは構造ヘルスモニタリング(SHM)に活用し、台風や地震などによる建物の損傷、劣化箇所を把握し、適切な修繕や管理を行うことで長く暮らし続けられるマンションを目指す。大規模修繕工事が完了する2024年9月以降の本導入を検討しており、現在協議を進めている。
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