住宅の床材や室内ドアの“炭素貯蔵量”を大建工業が開示、製品カタログやWebサイトで公開:脱炭素
大建工業は、住宅の床材や屋内ドアなど木質素材を使用する自社製品に含まれる炭素貯蔵量を開示した。環境貢献度の可視化を通じて、木質製品の積極的な使用を呼び掛けていく。
大建工業は2024年5月20日、床材や室内ドアなど木質素材を使用する主要製品の一部に含まれる炭素貯蔵量(CO2換算)を、製品カタログとWebサイト上で開示したと発表した。環境貢献度の可視化を通じて、木質製品の積極的な使用を呼び掛けていく。
製品の情報開示と併せて、木質製品の使用による効果をユーザーに分かりやすく伝えるため、住宅一棟をモデルケースにした炭素貯蔵量の総量も算出した。延べ面積115平方メートルの2階建て戸建て住宅を想定し、大建工業の床材やドア、造作部材、収納などの製品をもとに試算した結果、炭素貯蔵量の総量は約2372kg-CO2(2024年5月時点)となった。
家や家具への木材利用で炭素を長期間固定化
木材は成長過程でCO2を吸収し、炭素として蓄える。住宅や家具へ木製品を使用することで、長期間にわたり木材に炭素を固定でき、大気中のCO2濃度上昇を抑制して地球温暖化防止に貢献する。
大建工業グループは2021年、環境課題への長期的な取り組み姿勢や方針、目標を定めた「DAIKEN地球環境ビジョン2050」を策定し、自社を含めたサプライチェーン全体での温室効果ガス排出量削減の他、木質素材や製品の拡大などを推進している。
これまでも、自社で製造する木質素材(IB、MDF)の炭素貯蔵量を開示しており、2022年度の実績は約73万9000t-CO2/年。今回新たに、一部の木質製品についても開示を開始した。今後も、木材資源を積極的に活用し、炭素貯蔵の拡大や吸収源の維持、循環の取り組みを強化していく。
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