大建工業が地産材の活用ニーズに応えた不燃壁材と不燃ルーバーを発売:第5回 住宅・ビル・施設 Week
大建工業は、公共・商業建築の市場に向け、天然木突板を表面材に用いた不燃壁材「グラビオUS」と不燃ルーバー「グラビオルーバーUS」を開発した。両製品は、表面材の天然木突板に、地域産材を使えるため、「公共建築物等木材利用促進法」の施行以降、自治体で高まる地産材の活用ニーズに応えられる。
大建工業は、同社のHPで、基材に独自素材「ダイライト」を使用することで高い不燃性と加工性を備えた不燃壁材「グラビオシリーズ」の上級グレード品として、天然木突板を表面材に用いた不燃壁材「グラビオUS」と不燃ルーバー「グラビオルーバーUS」を2020年8月21日に発売したことを発表した。
表面材は8樹種の素材から選択可能
同社は、2019年に公表した中期経営計画「GP25 2nd Stage」で、非住宅市場への展開に注力するとし、製品の開発と提案に取り組んでいる。非住宅の市場では、政府が木材の利用による森林の整備と木材自給率の向上を目的とした「公共建築物等木材利用促進法」を2010年に施行して以来、公共・商業施設で木質化の機運が高まっており、全国の自治体でも地域産材の活用が活発化している。
こうした市場の動きを受け、大建工業は地域産材にも対応可能なグラビオUSとグラビオルーバーUSを開発した。両建材は、天然木ならではの質感豊かな「スギ」「ヒノキ」「オーク」「メープル」「チェリー」「ウォールナット」「チーク」「カバ」といった8樹種の表面材を標準柄としており、グラビオUSとグラビオルーバーUSとの同色柄コーディネートも可能。表面材の天然木突板には、特注対応として地域産材を使えるため、地産地消にも貢献する。
また、基材であるダイライトは、ロックウール(鉱物繊維)やシラス(火山性ガラス質材料)などを原料にした無機質素材であるため、防火性と耐腐食性能に優れている。また、軽量なことに加え加工性が良好で、手のこやカッターナイフでも簡単に切断できるため、施工の省力化も図れる。
今後、大建工業は、グラビオシリーズを中心とするダイライト基材の公共・商業建築分野向け木目調不燃建材で、2021年度に28億円の売上を目指す。
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