パイプ探査ロボ「配管くん」の同行営業も含む受注支援サブスク開始 設備会社の市場開拓に:現場管理
弘栄ドリームワークスは、パイプ探査ロボット「配管くん」を用いた受注活動のサブスクリプション支援サービスを開始した。配管調査時の操作サポートだけでなく、同行営業や現場調査、書類作成といった営業活動もトータルで支援する。
弘栄ドリームワークスは2024年5月1日、パイプ探査ロボット「配管くん」を用いた設備会社向けのサブスクリプション支援サービスの提供を開始した。サービス内容では、従来の配管くんの活用支援に加え、受注活動につながるチラシ作成や営業トーク立案、同行営業、現場調査、見積もり作成、報告書作成までの総合支援も含む。
営業から施工までのトータルサポートを行うサブスク
弘栄ドリームワークスは、立命館大学と共同で配管探査ロボットを2020年に開発。配管くんは、直径100〜150ミリのティーズ管内を自走するロボットで、高性能カメラやジャイロセンサーを搭載し、配管の老朽化などの見える化を行い、計測したデータを基に走行経路のマッピングする。配管径100〜150Φに合わせて姿勢を変え、自走で配管内調査が可能で、5ミリの段差も乗り越えられる。
これまでに、日本全国の設備会社と連携して活用促進を図ってきたが、操作が複雑だったことに加え、営業提案の仕方が不明瞭だったことから十分なニーズを獲得できていなかった。今回のサブスクサービス開始により、配管くんの新たな市場作りにつなげる。
配管くんのライアンアップは現在、高圧洗浄の噴射水圧で、配管内を進むII型A、ジャイロセンサーを搭載したセンサー付カメラで配管内に流れる水を利用して進むII型B、バネワイヤ付き内視鏡で曲がりの多い小口径配管を調べるIII型なども展開している。
サブスクのサービス料金は月額10万円で、キャンペーン中は月額5万円で提供する。別途で入会金30万円と月会費2万円が必要となる(作業費別)。
弘栄ドリームワークスは、建設工事現場で登場したドローンに着目し、設備工事でも同じことができないかと、長年の試行錯誤の末に配管を移動する配管くんを開発するに至ったという。2011年の着想から7年の研究を経て、2018年に具体的な形になり、市場投入の段階となり、代表取締役会長 船橋吾一氏は、「革新的な技術を自社だけが活用するのではなく、同業者にも使用していただき、業界全体を根っこから盛り上げていきたい」と話す。
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