大東建託が自主検査にビデオ通話アプリを導入、1500アカウントを採用:導入事例
大東建託は2022年10月17日、クアンドが開発した現場向けビデオ通話アプリ「SynQ Remote」を「施工者自主検査」に導入した。
クアンドは、開発・販売する現場向けビデオ通話アプリ「SynQ Remote(シンクリモート)」が、大東建託の「施工者自主検査(以下、自主検査)」に2022年10月17日に本格導入されたことを発表した。
「区画検査」にSynQ Remoteを活用
これまで大東建託の自主検査では、細かな箇所の目視検査をするために複数の検査担当者がたびたび現場に集まっていた。こういった移動には、片道1時間程度かかる場合もあり、スケジュール調整や移動のコストが課題となっていた。
そこで、大東建託は自主検査にSynQ Remoteを導入した。具体的には、2021年11月に試行導入を行い、適用業務や通信環境などの検証を経て2022年10月17日にSynQ Remoteの1500アカウントを採用した。ちなみに、自主検査でチェックする全5項目のうち、従来方式と同等の検査精度を保てた「区画検査」にSynQ Remoteを使用する。今後はさらに対象検査の拡大を目指す。
SynQ Remoteは、スマートフォンやPCにインストールするだけで使えるビデオ通話アプリで、騒音対策、発着信機能、指示者からの遠隔撮影、現場ごとのグループ管理といった機能を備え、的確で視覚的な指示や高解像度な画像、検査記録のクラウドへの保存を実現し、検査担当者の移動を減らせる。
加えて、リモート検査でも自主検査への指摘率は従来の目視検査と変わらないことが試行導入期間に実証されている他、移動時間の代わりに検査に時間を割くことでより一層の精度向上も期待されている。
なお、大東建託の自主検査は、建築基準法に基づく中間検査と別に行う独自の検査で、建物の品質確保を目的とした重要な工程。
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