【BIM×FMの新連載】BIMは建物のデジタル情報の宝庫 なぜFMで活用されていないのか?:BIM×FMで本格化する建設生産プロセス変革(1)(2/2 ページ)
JFMA(日本ファシリティマネジメント協会)の専務理事 成田一郎氏の連載を受け継ぎ、新たにBIMとFMのテーマで、筆をとることとなった。本連載では、FMとデジタル情報に軸足を置き、建物/施設の運営や維持管理分野でのデジタル情報の活用について、JFMAの「BIM・FM研究部会」に所属する部会員が交代で執筆していく。
建物をつくるために必要な情報と、使うために必要な情報は異なる
竣工後、建物を使いながら、FMのために新たにデータを入力することも少なくないと聞いている。下図は、ファシリティマネジャーにBIMについて説明した時のコメントをまとめたものだ。BIMに携わっている人(主に建物の設計や工事に関わる人)と、FMに携わっている人(主に建物を使うことに関わる人)との認識の違いがよく分かる。国土交通省で「建築BIM推進会議」が発足したこともあり、この差は埋まりつつあるがまだまだギャップがある。建物をつくるために必要な情報と建物を使うために必要な情報は異なり、BIMの情報とFMで必要な情報には、項目、精度、粒度、時期などの面で違いがあると理解されるようになってきた。
BIMとFMの連携によるFMの高度化
本心では、ファシリティマネジャーに建物のデジタル情報を活用してもらいたい。その環境を整備するために活動を続けている。BIM・FM研究部会で議論しているEIRは、ファシリティマネジャーがどのような情報を求めているかを示すものだ。ファシリティマネジャーがFMで必要な建物のデジタル情報を手に入れるために必要で、BIMとFMのギャップを埋めるツールの一つだ。
デジタル情報を活用することで、私たちの仕事や生活がさまざまな面で変化している。FMや建物に関する面では、デジタル情報の活用による変化が少ない気がしている。改善は進んでいるが、改革や変革が起こっているとは言えないのではないか。建物のデジタル情報を活用することで、さまざまな可能性が期待される。本連載が、新たな可能性を生むことを期待している。
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