戸田建設とALSOK、警備/清掃ロボットとセキュリティ扉を連携 電気錠扉などを自律移動:FM
戸田建設はALSOKと、ロボットとセキュリティ扉を連携させた実証実験を筑波技術研究所で実施した。
戸田建設はALSOKと、ロボットとセキュリティ扉を連携させた実証実験を行い、一定の成果を確認したと2023年12月20日に発表した。実証実験は、経済産業省が公募する「令和5(2023)年度革新的ロボット研究開発等基盤構築事業(ロボットフレンドリーな環境構築支援事業)」に採択されている。
「ロボットフレンドリービルディングデザイン」構築を推進
これまで、建物内の特別な認証や権限が必要となるセキュリティエリアで、ロボットとヒトが共存するためには、複数の課題があった。具体的には、ロボットは、セキュリティのかかった扉を解除できないため、稼働エリアが限定されている。また、2台のロボットが同一の扉を通る際も制御ができず、フラッパーゲートはセンサー位置の高さに満たない小型ロボットは通行を検知されない。ロボット開発面では、ロボットと出入管理サーバの間は、標準化された通信規格がないため、各メーカーのコスト増に跳ね返ってしまう。
両社は、こうした課題を解決し、複数タイプの扉とロボットがスムーズに連携できるようにするために、さまざまなシナリオを想定して、戸田建設の筑波技術研究所で実証実験を実施した。
実験では3つのセキュリティ扉(自動ドア、フラッパーゲート、電気錠扉)と、警備/案内用「REBORG-Z(リボーグ-ゼット)」、清掃用「PUDU CC1(プードゥーシーシーワン)」のロボット2機種を導入。共通のインタフェースを活用してセキュリティ扉の開閉を制御する三菱電機ビルソリューションズの「出入管理サーバ(Ville-feuille)」と連携動作させることで、セキュリティレベルの異なるエリア間を自律移動した。
実験のシナリオは、ヒトとの共存や災害時の対応も含めた合計20通りで、ロボットと出入り管理サーバの連携を確認した。
戸田建設は、ロボットとヒトの最適な共生空間を創造する「ロボットフレンドリービルディングデザイン」のビジョンを掲げ、リーディングカンパニーを目指している。今回の実証実験はエレベーターにロボットとヒトとが同乗する実証実験に続き、ビジョンの達成に向けて実装力を強化する取り組みとなる。
今後は、「ロボットフレンドリー施設推進機構(Robot Friendly Asset Promotion Association:RFA)」の参画企業として、通信規格の標準化に取り組み、「ロボットフレンドリービルディングデザイン」の構築を目標としている。
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