点群データを詳細度別にRevitモデル作成、野原グループが既存建物をBIM化する「Scan to BIM」開始:BIM(1/2 ページ)
野原グループは、販売代理をしている米Matterportの360度カメラなどで取得した点群データを、必要な詳細度に応じてBIMモデル化するサービスを本格始動した。
野原グループは、VR撮影/3D測量で自動生成される点群データをもとに、Autodesk RevitでBIMモデリングを作成する新サービス「Scan to BIM」を2023年9月下旬から開始した。
既存構造物のデジタルデータ化で、維持管理や防災計画で新提案も
Scan to BIMは、MatterportシステムなどのVR撮影/3D測量で取得する点群データを使い、BIMモデル化するサービス。VRカメラによる撮影から点群データの取得は、Matterportカメラであれば、最短で1〜2日程度で完了するスピード感がウリとなっている。
現在、BIMは新築物件の設計プロセスでの活用が主流で、竣工後の建物(既存建物)の維持管理プロセスでの活用までは浸透していない。一方で、建物のライフサイクルは、維持管理の期間が最長でありながら、改修工事では図面がデータ化されていない、図面と現況が異なるといった難点がある。
野原グループは、2020年8月から米Matterportの日本国内販売リセラーを務め、建設・不動産業界のデジタルツイン活用支援に注力。そこで、「点群データによるBIM化」とその簡便さを周知し、既存構造物のデジタルデータ化、維持管理や防災計画などの従来業務の効率化に向けた機運醸成を目的に、Scan to BIMを本格始動するに至った。
Scan to BIMは、既存建物のデジタル化(BIMモデル化)だけでなく、改修工事の現場調査や図面作成(2D図面の生成等)といった維持管理プロセスの変革をも支援する。野原グループでは、Scan to BIMは建物の維持管理での図面にまつわる従来の課題をデジタル技術で克服するサービスという一面も併せ持つとしている。
野原グループは、Scan to BIMのサービス開始により、不動産管理に関わる顧客と共に、維持管理を含む建物のライフサイクル全体におけるデジタルツイン(3D/VR空間モデル)活用とBIM普及による業務効率化に、より一層注力する。
同時に、既存構造物のデジタルデータ化をサポートすることで、社会インフラ全体のデジタル化とデータ連携の素地構築につなげ、防災計画の立案、より住みやすく快適な街づくりとして政府が進める「Society 5.0」構想の実現にもつなげる。
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