【BIM×FMの新連載】BIMは建物のデジタル情報の宝庫 なぜFMで活用されていないのか?:BIM×FMで本格化する建設生産プロセス変革(1)(1/2 ページ)
JFMA(日本ファシリティマネジメント協会)の専務理事 成田一郎氏の連載を受け継ぎ、新たにBIMとFMのテーマで、筆をとることとなった。本連載では、FMとデジタル情報に軸足を置き、建物/施設の運営や維持管理分野でのデジタル情報の活用について、JFMAの「BIM・FM研究部会」に所属する部会員が交代で執筆していく。
BIM・FM研究部会について
JFMA(日本ファシリティマネジメント協会)の「BIM・FM研究部会」は2012年9月に発足し、最初は14人の部会員で活動を開始した。発足時の部会員で協議し、ミッションとして「BIMとFMの連携によるFMの高度化」、ゴールには「JFMA『BIM・FMガイドライン』の策定、新たなビジネスモデルの構築」と定めた。
現在の部会員は82人、月に一度の部会には二十数人が参加し、FMとBIMについて情報共有と議論を続けている。その成果として、2015年4月に「ファシリティマネジャーのためのBIM活用ガイドブック」(絶版)、2019年8月に「ファシリティマネジメントのためのBIMガイドライン」、2022年7月に「ファシリティマネジメントのためのBIM活用事例集」を発行した。現在は、FMのための発注者によるBIM要件となる「EIR(Employer Information Requirements)」について検討を進めている。
BIMは建物のデジタル情報の宝庫だといえる。一方でFMには建物に関する情報が必須だ。その意味で、BIMはFMにとっても有効のようにみえる。しかし、FMでBIMの情報が活用されているかというと、全くそうではない。BIMの情報がそのままFMで利用できるようにはなっていない。
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