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国交省、「不動産情報ライブラリ」を構築 APIで一部無償公開:GIS
国土交通省は地価や周辺施設、防災、都市計画などの不動産情報を地図上に重ね合わせて表示できるWeb版GISシステムの運用を開始する。PCやスマホ、タブレットから不動産に関する複数のデータが閲覧できる。
国土交通省は2024年4月1日から、不動産取引で参考になる価格や都市計画などの情報を地図上に重ね合わせて表示するWeb版GISシステム「不動産情報ライブラリ」の運用を開始する。PCのほか、スマホやタブレットからも閲覧が可能だ。
地価公示や防災情報、利便施設の場所などを同一の地図上に表示
不動産情報ライブラリは、オープンデータなどを活用して、不動産取引の際に参考になる価格や周辺施設、防災、都市計画などの情報を集約し、同一の地図上で表示するシステムだ。
掲載予定の主な情報は次の通り。
- 価格:地価公示、都道府県地価調査、不動産取引価格情報、成約価格情報
- 周辺施設:学校、小/中学校区、市町村役場、医療機関、福祉施設など
- 防災情報:洪水浸水想定区域、土砂災害警戒区域、津波浸水想定など
- 都市計画:用途地域、防火/準防火地域、立地適正化区域など)
- その他:将来推計人口(500メートルメッシュ、5年間隔で期間は2050年まで)など
不動産情報ライブラリに掲載する情報は、閲覧できるだけではなく、APIによりデータの一部を無償公開する。APIを利用することで、公開情報と、ユーザーが個別に保有する情報とを重ね合わせて表示できる。API利用希望者は不動産情報ライブラリ内の申請ページから申し込みを行う。なお、掲載中の一部の情報は外部サイトの情報提供サービスを利用しており、利用には注意が必要だとしている。
国土交通省では現在、地価公示と都道府県地価調査、不動産取引価格情報を「土地総合情報システム」で公開しているが、2024年度以降はこれらの情報を不動産情報ライブラリに統合する。運用開始後は利用者アンケートなどを実施し、掲載情報の追加や変更を随時検討する。
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