【新連載】間もなく“宅建業法改正”、不動産取引における「電子サイン」の実態は?:ITで変わる、不動産業界の現在と未来(1)(1/2 ページ)
間もなく2022年5月に宅地建物取引業法(以下、宅建業法)が改正され、不動産契約の場面においても、押印や書面交付のデジタル化が進むと予想されています。そこで、アットホームが実施した「不動産取引における書類のオンライン化・電子サインに関する実態調査」をもとに電子サイン利用の実態を解説していきます。※本記事は、宅建業法改正前(2022年4月時点)に執筆したものです。賃貸借更新時と賃貸借解約時における取引場面では、既に電子サインが認められています。
電子サイン利用の実態と希望に大きな差、今後は電子サイン化希望
コロナ禍(2020年4月以降)に物件を購入した人に、書類(契約書)への署名・捺印(なついん)をどのように行ったかを質問したところ、85%以上が「対面」で行っており、「電子サイン」を利用していた人はわずか約3%でした。
一方、今後はどのように行いたいかを聞いたところ、「対面」が10ポイント近く減り、「電子サイン」の割合が5.7ポイント増え、非対面でも契約を交わせる電子サイン化を希望する傾向が見られます。
同様に、賃貸物件を新規で契約・更新・解約した人も、「対面」のニーズは多いものの、電子サイン化を希望する傾向が見られ、特に賃貸更新時は20.2ポイントも増加しています。
また、購入時と賃貸契約時を比べると、購入時はまだまだ「対面」の希望が多いですが、これは大きな買い物ゆえ契約手続きを重視しており、しっかり署名・捺印したいという意思の表れでしょう。逆に、賃貸更新時や賃貸解約時は、電子サイン希望の割合が多く、まずは更新や解約といった段階から対応できるように備えておくのが良さそうです。
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『不動産市場の「今」を知る――アットホームラボ調査レポート』
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