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大成建設 技術センターに聞く 7軸自由度の“移動式3Dプリンタ”を開発した真意デジタルファブリケーション(3/3 ページ)

大成建設は、今までになかったデザインや施工の効率化を可能にする手段として、建設用3Dプリンティングの技術開発に注力している。従来のガントリー型3Dプリンタを大幅に刷新した最新の移動式3Dプリンタは、これまで課題だった3Dプリント範囲の拡大や鉄筋かぶりの最適化などを実現し、建設用3Dプリンティングを次のステージに押し上げるデジタルファブリケーション技術として注目を集めている。

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 そこで、大成建設では6軸のロボットアームに吐出ノズルを取り付け、鉄筋面にノズルを傾けてアプローチする手法を採用した。しかし、本体が移動しない一般的なロボットアームでは、構造物の向こう側でノズルを傾け、適正な鉄筋かぶりで施工するのは難しかった。そのため、ロボットアームをレールでスライドさせる“7軸”の自由度とし、改善を図った。ロボットアームが横方向にスライドすると、構造物の向こう側に回り込んで、適正な鉄筋かぶりの3Dプリントが実現する。

 適正な鉄筋かぶりは、橋脚などでは柱の断面積の縮小にもつながり、材料の無駄削減や施工時間の短縮ももたらされる。

【大成建設公式チャンネル】移動式3Dプリンティング技術 7軸自由度の3Dプリンティング
ロボットアームが横方向にスライドすることで、6軸では難しかった鉄筋裏側の施工でも理想的なプリンティングを実現
ロボットアームが横方向にスライドすることで、6軸では難しかった鉄筋裏側の施工でも理想的なプリンティングを実現 提供:大成建設

現場での実証を重ね、オンサイト3Dプリンティングの実用化へ

 次の展開として木ノ村氏は、「実現場でのオンサイト3Dプリンティングの実証を計画している」と説明し、今後は構造躯体の本格適用に向け、3Dプリンティングで製作した構造体の力学特性や施工ノウハウを蓄積していく。

 木ノ村氏によると、現段階は完成形ではなく、改善しなければならない部分もあると話す。柱のような形状で断面積が比較的小さい物体であれば、現状のシステムでも裏側に回り込んだ施工ができるが、長い壁状の物体で向こう側に回り込んで施工するには一考が必要となる。既に検討は始まっているとのことなので、こうした課題をどのようなアイデアで乗り越えるのか、大成建設の建設用3Dプリンティング技術の進化に期待したい。


提供:大成建設

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