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3Dプリンタ住宅に1年間の災害補償 セレンディクスと三井住友海上が「serendix10」対象に:デジタルファブリケーション
セレンディクスは、「車を買える値段で」購入できる3Dプリンタ住宅「serendix10(スフィアモデル)」の火災、風災、水災などによる損壊を1年間補償するサービスを開始した。
セレンディクスは2023年10月18日、MS&ADインシュアランスグループの三井住友海上火災保険と提携し、セレンディクスの3Dプリンタ住宅「serendix10(スフィアモデル)」の購入者向けに補償を提供することを公表した。
購入者向け補償は、セレンディクスが販売した全てのserendix10(スフィアモデル)が対象で、火災、風災、水災などによる損壊を補償し、期間は1年間。
セレンディクスは、2022年3月に日本初の3Dプリンタ住宅を愛知県小牧市で完成させた。3Dプリンタ住宅を実現した一方で、3Dプリンタ住宅の安全性に関して多くの意見も寄せられたという。そこで、多発する自然災害の被害などのリスクに関する知見かつ保険引受実績を持つ、三井住友海上と提携し、3Dプリンタ住宅という新技術に対する安心安全の向上のために、補償サービスの開発に至った。
今後、セレンディクスと三井住友海上は、慶應義塾大学KGRI環デザイン&デジタルマニュファクチャリング創造センター(代表:慶應義塾大学 環境情報学部 教授 田中浩也氏)に研究・設計、監修を依頼した二人世帯用平屋建住宅「フジツボモデル」(床面積49平方メートル)についても、補償の検討を進めるとしている。
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