オフィスで“立ったまま寝る”仮眠ボックス「giraffenap」 近未来と森の2タイプで新たな休憩スペースを提案:ワークプレース(2/2 ページ)
広葉樹合板は、立ったまま寝ることができる仮眠ボックス「giraffenap」を開発した。北海道大学と台湾成功大学との共同研究の成果で、ボックス内で30分以上にわたり、軽い寝息をたてる程度の睡眠が可能と実証されている。
ボックスの機能としては、照明の調光や充電の他に、空気洗浄効果も備え、不織布から成るガス交換膜で、酸素ガスなどを室内に取り込み、CO2やホコリなどはシャットアウト。しかも、CO2を排出するので、室内環境を清浄な状態を保つ。
ボックスの大きさは小型の公衆電話ボックス程度で、ベッドを設置するのに比べ、半分のスペースで仮眠環境をオフィスに整備できる。ラインアップは、近未来をイメージした「スペーシア(SPACIA)」と、森の中をイメージしてボックス内外に木を採り入れた「フォレスト(FOREST)」の2種類。
2023年8月22日からは、「ネスカフェ 睡眠カフェ in 原宿」とのコラボでgiraffenapを店内で体験できる。商品の発売時期は、販売代理店と契約を結び販売体制や生産体制を整えた後、2024年1月ごろの見通しで、オフィスをはじめ、空港、病院、老健施設、カフェ、駅構内などへの提案を計画している。価格は1台300万円程度を想定している。
広葉樹合板 代表取締役 山口裕也氏は、「日本では、仕事中に寝る=怠けていると思われる環境がまだある。しかし、その概念を打ち破る時代に差し掛かっている。giraffenapの登場を機に、これからは積極的に眠気を受け入れながらしっかりと仮眠をとり、クリアな頭で集中して、仕事や作業に取り組む社会となることが願い」と話す。
イトーキは、「世の中に役立つ新しい発明について積極的に特許を取得し、多様な市場に向けた提供活動を継続していきたいと考えており、今回、広葉樹合板とのライセンス契約をきっかけにgiraffenapが誕生したことを嬉しく思う。当社はミッションステートメントとして、『明日の「働く」を、デザインする。』を掲げており、giraffenapを通じて、働く人の睡眠不足の解消やパフォーマンスの改善に少しでも役立ててもらえれば」と期待を寄せる。
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