不動産情報サイト利用者意識アンケート、物件検索でスマホ利用率が93%と過去最高:産業動向
不動産情報サイト事業者連絡協議会(RSC)は、一般消費者向けに実施した「不動産情報サイト利用者意識アンケート」の調査結果をまとめた。調査では、不動産事業者への訪問の前に物件をあらかじめ決めている利用者の実態や、コロナ禍を経てオンラインを活用した接客の必要性が浮き彫りになった。
不動産情報サイト事業者連絡協議会(RSC)は2022年10月27日、一般消費者向けに実施した「不動産情報サイト利用者意識アンケート」の調査結果をまとめた。
物件検索のスマホの利用率が過去最高、PCの2倍に
調査によると、物件検索のスマートフォンの利用率が93%と過去最高を記録した。また、PCの利用率が高かった50代と60代以上についても、2017年と比較するとスマホ利用率がPCの利用率の2倍以上となった。
非接客型の接客を利用したい人数は3割程度にとどまったが、今後活用してみたい声として最も多かったのが、賃貸では「IT重説」で、売買では「オンライン接客」だった。一方で、賃貸では「オンライン内見」を使いたくないという声が多く上がった。
また利用者は、不動産会社への訪問前にあらかじめ、Webからの情報などで物件を絞り込んでいることもわかった。問い合わせた会社で契約している割合については、賃貸と売買ともに8割を超えており、物件を契約した人が検討時に問い合わせ物件数も減少傾向にある。2022年は平均5物件で、前年比だと0.3物件減少している。
不動産会社を選ぶポイントには、賃貸と売買ともに写真の点数の多さがトップとなった。写真点数については、前年よりも割合が高くなっている。
調査では、不動産事業者への訪問の前に物件をあらかじめ決めている利用者の実態や、コロナ禍を経てオンラインを活用した接客の必要性がとくに浮き彫りになった。アンケート結果から、今後もWebからの集客に注力する流れになりそうだ。
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