東日本大震災で防災意識を見直すも、災害時に役立つ住宅設備を導入しない人が68%:調査レポート(2/2 ページ)
ホクシンハウスは、戸建て住宅購入の経験者1082人を対象に、インターネット上で、戸建て住宅の災害対策に関する調査を行った。結果、東日本大震災以降に、防災意識を見直した対象者のうち68.1%は、災害が起きた時に役立つ住宅設備を導入していないことが明らかになった。
41%が「数日間の在宅避難が可能」と回答
「現在、住んでいる住宅は、災害発生時に“在宅避難”ができると思うか」と対象者に聞いたところ、「ある程度の日数は“在宅避難”ができると思う」と答えた人は全体の41.1%で最も多かった。次に、「どちらともいえない」は37.2%、「1日くらいなら“在宅避難”ができると思う」は13.1%、「“在宅避難”はできないと思う」は8.6%となった。
「現在、住んでいる住宅で“在宅避難”をするためにはどのような設備が足りないと思うか」と複数回答可能の条件で対象者に質問したところ、「停電時の電力供給」と回答した人は全体の66.3%で最多だった。次いで、「断水時の水の供給」は60.8%、「耐震性」は32.7%、「免震性」は21.3%、「断熱・気密性」は13.3%、「制振性」は12.3%となった。
「これからの時代の住宅に必要だと思うものを教えてほしい」と複数回答可能の条件で対象者に尋ねると、「高い耐震性」と答えた人は全体の65.5%で過半数を占めた。次いで、「蓄電システム」は47.5%、「発電システムは」40.9%、「免震性」は38.7%、「耐火性」は37%。「防犯・セキュリティ」は26.2%、「制振性」は21.8%、「劣化対策」は21.8%、「維持管理・更新の容易性」は21.3%、「バリアフリー」は20.9%、「温熱環境・省エネルギー性」は18.6%、「EV用の充電システム」は14.7%と続いた。
「今後住宅を購入する際、その住宅に導入したいと思う設備は何か」と複数回答可能の条件で対象者に聞いたところ、「蓄電システム・蓄電池」と回答した人は全体の45.5%で、最も多かった。次に、「耐震等級3レベルの耐震構造」は37.4%、「太陽光発電システム」は28.5%、「免震システム(免震ゴムなど)」は26.8%。
「貯水システム」は22%、「防犯システム」は21%、「高断熱・高気密サッシ」は20.6%、「バリアフリー構造」は19.2%、「制振システム(制振ダンパーなど)」は18.4%、「自然冷媒ヒートポンプ給湯機(エコキュート)」は14.8%、「EV充電用200Vコンセント」は14.6%、「24時間換気システム」は12.4%、「全館空調システム」は9.5%の順となった。
<調査の概要>
調査時期:2021年3月19日
調査対象:戸建て住宅の購入経験者
調査人数:1082人
調査手法:インターネット調査
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- VRを活用した“次世代型マンション防災”のプロジェクト始動、大和ライフネクストと理経
大和ライフネクストと理経は、横浜市の監修を受けつつ、マンション住人向けにVRを活用した防災コンテンツを制作することを明らかにした。 - 太陽光パネルと蓄電池を個人宅にタダで設置、沖縄電力の再エネ目玉事業「かりーるーふ」
沖縄電力グループは、個人宅の屋根に無料で太陽光パネルを設置し、家主に電力を格安で販売するPPA事業「かりーるーふ」を展開している。かりーるーふは、個人宅の屋根を借りて太陽光パネルを設置し、電力を販売するPPA事業。設備面のサポートはパナソニックが行う。太陽光パネルの初期費用や保守費用は無料で、屋根を貸した住宅には、パネルとともに設置される蓄電池によって災害時にも電力が供給される。これまでに50枠の募集枠に対し、2倍以上の申し込みがあり、人気を裏付けている。 - 三井不動産がビル管理研修施設を開設、屋内で実際の火を使用する消火体験が可能
三井不動産は、所属するビル管理者の育成や専門知識の習得を目的に、体験形式で、さまざまな施設設備の操作方法や緊急時の対処を学べる研修施設「三井不動産 総合技術アカデミー」を開設した。施設内では、実際の粉末消火器を用いた放出訓練と実際の火を使用する消火体験も屋内で行える。 - 三菱地所が大手町でコロナ対策を取り入れた帰宅困難者受け入れ訓練を実施
三菱地所は、ソーシャルディタンスを保ちながら1000人弱の帰宅困難者を受け入れできる大手町パークビルディングで、新型コロナウイルス感染症陽性疑いの体調不良者2人を含む帰宅困難者23人の受け入れを想定した訓練を行った。 - 「日常の延長線上にある防災」積水ハウスが示す、自然災害の時代を生き抜くヒント
現在、住宅の堅牢性に関する技術は、台風や地震などで簡単には倒壊しないレベルに到達している。しかし、災害の発生そのものを止めることはできない。防災・減災で重要なのは、日常の生活の中で常に災害を意識して準備を怠らないことだ。 - 八丈島で防災IoTセンサーを活用したスマート防災の実証試験
応用地質、日本工営、みずほ銀行、みずほ情報総研、Blue Labは、2020年12月より、東京都八丈町と共同で、八丈島での防災IoTセンサーを活用したスマート防災の実証試験を開始した。パトロールや避難誘導に対するアラート情報の有効性を検証し、どのような防災対策やまちづくりが必要かコンサルティングする。