三井不動産がビル管理研修施設を開設、屋内で実際の火を使用する消火体験が可能:プロジェクト(1/3 ページ)
三井不動産は、所属するビル管理者の育成や専門知識の習得を目的に、体験形式で、さまざまな施設設備の操作方法や緊急時の対処を学べる研修施設「三井不動産 総合技術アカデミー」を開設した。施設内では、実際の粉末消火器を用いた放出訓練と実際の火を使用する消火体験も屋内で行える。
三井不動産は2021年3月9日、千葉県柏市の研修施設「三井不動産 総合技術アカデミー」で、同施設の見学会を開催した。
会場では、三井不動産 ビルディング本部 運営企画部 企画グループ グループ長 加藤浩氏と同部 同グループ 上級統括 大戸勝氏が、三井不動産 総合技術アカデミーの設立経緯や概要を説明した。
その後、三井不動産の担当者が建物内のオフィス研修室や被災再現室、エレベーター、防災センター研修室、設備研修室、消火訓練室、防災研修室を披露し、研修機能を紹介。消火訓練室では、消化器を用いた消火訓練を実演し、防災研修室では木材の燃焼による火災体験のデモンストレーションを行った。
約30種類のプログラムで構成
冒頭、三井不動産の加藤氏は、「当社とグループ会社では近年、複数の大規模な施設を開発した影響で、所属するビル管理者が不足し、新たな管理者を育成しなければならない状況にあった。加えて、在籍するビル管理者は、配属先の施設で、設備管理などの業務を外注していたため、専門知識の欠如が顕著になり、エレベーターの停止など非常時における対応力向上が急務だった。解決策として、三井不動産 総合技術アカデミーを2020年7月1日に開校した。三井不動産 総合技術アカデミーは、座学ではなく触れるをテーマにしており、五感でビル管理の専門知識を学べる。こういった施設を開発したのは大手デベロッパーでは三井不動産が初だ」と経緯を語った。
三井不動産の加藤氏は、「三井不動産 総合技術アカデミーの研修は、約30種類のプログラムで構成されている。各講座では、建物内に設置された電気・空調設備などの操作とトラブルへの対応、火災・地震といった災害発生時の対処を学習可能だ。講師は三井不動産 ビルディング本部 運営企画部に所属している8人が担当する。1講座の所要時間は3時間で、定員は12人だが、新型コロナウイルス感染症が拡大していることを踏まえ、現在、定員を4人に抑えて講義を行っている。対象は、三井不動産の技術系社員40人とビル事業関係の総合職系社員250人や三井不動産ファシリティーズの管理関係担当者900人とスタッフ系社員300人、三井不動産ビルマネジメントの総合職系社員でPM部門担当の400人だ。なかでも、優先的に社歴が2年〜5年目の社員を受けさせている」と概要に触れた。
施設内の機能に関して、オフィス研修室は、オフィスビルの室内を想定したレイアウトで、室内空調環境の測定と調整や照明器具の交換、コンセントとブレーカーの取り換えと回路の調査方法を学べる。
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