東日本大震災で防災意識を見直すも、災害時に役立つ住宅設備を導入しない人が68%:調査レポート(1/2 ページ)
ホクシンハウスは、戸建て住宅購入の経験者1082人を対象に、インターネット上で、戸建て住宅の災害対策に関する調査を行った。結果、東日本大震災以降に、防災意識を見直した対象者のうち68.1%は、災害が起きた時に役立つ住宅設備を導入していないことが明らかになった。
住宅建設会社のホクシンハウスは、戸建て住宅購入の経験者1082人を対象に、インターネット上で、戸建て住宅の災害対策に関する調査を2021年3月19日に行い、結果を2021年4月6日に発表した。
東日本大震災以降に防災に対する意識を見直した人は約68%
調査結果によれば、「現在、住んでいる住宅は、購入時に、“災害に備えられること”をどの程度考慮したか」と対象者に聞いたところ、「ある程度考慮した(長期優良住宅など」と回答した人は全体の36.5%で最多だった。
次に、「あまり考慮しなかった(耐震等級1〜2程度)」は23.1%、「全く考慮しなかった(新建築基準法を満たしている程度)」は21.2%、「かなり考慮した(長期優良住宅かつ耐震等級3、制振構造、免震構造など)」は19.2%となった。
「東日本大震災以降、地震防災に対する意識を見直したか」という質問では、「ある程度見直した」と答えた人は全体の49.7%で最も多かった。次に、「変わらない」は31.7%、「大きく見直した」は18.6%だった。
上記の質問で「見直した」と答えた回答者に、「地震防災に対する意識を見直した結果、住宅にどのような設備を導入したか」と複数回答可能の条件で尋ねたところ、「導入した設備はない(水・食料の備蓄や非常用持ち出し袋の準備などの対策のみ)」と返答した人は全体の68.1%で半数を超えた。
次いで、「太陽光発電システムを設置した」は17.1%、「蓄電システム・蓄電池を設置した」は8.9%、「EV充電用の外部コンセントを設置した」は6.5%だった。東日本大震災をきっかけに地震の防災に対する意識を見直したものの、災害に備えた住宅設備を導入するには至っていない人が多いことが明らかになった。
特に重視して導入した設備について対象者に聞いたところ、「免震装置(30代/男性/愛知県)」「太陽光発電・蓄電池で停電に備えました(40代/女性/福岡県)」「建物強度補強のため、ブレースを設置した(40代/男性/大阪府)」「EV専用充電器の設置(50代/男性/北海道)」「貯水タンクの設置(60代/男性/鹿児島県)」といった声が寄せられた。
「住まいの住宅や設備の点検・メンテナンスをしているか」という質問では、「住宅・設備ともに建築後の点検・メンテナンスをしていない」と回答した人は全体の40.8%で最多だった。
続いて、「住宅の点検・メンテナンスはしているが設備はしていない」は20.5%、「住宅・設備ともに数年に1回程度点検・メンテナンスをしている」は19.1%、「住宅・設備とも年に1回は点検・メンテナンスをしている」は10.7%、「住宅・設備のいずれかは年に1回以上点検・メンテナンスをしている」は4.6%、「住宅・設備とも年に2回以上点検・メンテナンスをしている」は4.3%となった。
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