建機レンタルが24時間スマホで可能に、レンタルのニッケンとLinneのSaaS
レンタルのニッケンは、建機レンタルをスマホやPCから、24時間いつでもどこでも申し込める新サービス「オンラインレンタル」をスタートさせる。まずは東京・関西の商圏を皮切りに、2022年3月までに全国展開も見据える。
レンタルのニッケンは2021年3月31日、 スマートフォンやPCからいつでも簡単に建設機械のレンタル注文を行える「オンラインレンタル」を2021年4月1日に開始すると発表した。
新Webサービスは、Linneの建機レンタル会社向けSaaS「Rentals」がベース
オンラインレンタルは、Linneが開発したSaaS型プロダクト「Rentals(レンタルズ)」が基礎となっており、Rentalsの提供を受けたことにより、レンタルのニッケンが自社専用のオンラインレンタルサービスを垂直立ち上げできるようになった。
レンタルのニッケンのオンラインレンタルは、エンドユーザーにとっては、Rentalsのウェブアプリを通じて、建設現場と同社の営業所とがつながり、24時間365日いつでもスマートフォン、 タブレット、PCから納品や返却、修理依頼が可能となる。すぐに注文したい、 いつ商品が届くかを知りたいといったこれまでユーザーを悩ませていた困りごとを解決する。
専用アプリ上では、商品受渡時のやり取りで発生する煩雑さを軽減する機能も備え、社内で誰が何を借りているかも、管理機能で確認することができる。また、過去の注文や閲覧の履歴をAIが解析し、発電機やコンプレッサーなど建機の周辺機器も含め、ユーザー別におススメ商品を表示する機能も搭載されている。
レンタルのニッケンのオンラインサービスは、既に先行して大手建設会社に試験導入されており、「直観的に操作できる」「注文時、 納期が確約されるので安心」「関連商品が表示されるのでセットで借りる際、便利」「現場のことが良く考えられていて使いやすい」といった声が寄せられている。
一方、レンタル会社では、商品ごとの掲載、配送納期を営業所ごとに設定できる他、AIの需要予測や在庫最適化で、営業所や商品ごとの需要を予測し、最適な在庫数量が提案される。
Rentalsによって、顧客とレンタル会社双方で、従来の電話やFaxを中心とした取り引きで発生する誤発注や納期確認、現場機材の確認などに煩(わずら)わされていた時間が短縮され、建設現場の生産性向上と建機レンタル会社の収益性アップが見込める。
両社は今後、共同で建機レンタル業界の他企業にもオンラインサービスを拡大させ、人手不足に悩む建設現場のDXをサポートしていくとしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- DXが効率化する建設機械レンタル、SaaS型レンタルアプリを提供
SORABITOは、建機レンタル会社が自社専用の建設会社向けWebアプリを簡単に作成できるSaaS型レンタルアプリサービスを2021年6月から提供開始する。 - 調査レポート:世界の建設向けIoT市場を調査、市場規模は2027年までに190億ドルに到達を予測
Report oceanは、世界における建設向けIoT市場の動向を調査し、マーケットの規模が2019年から2027年までに190億3980万ドルに達することを予測した。 - VR:東急建設の安全教育VRに新コンテンツ、新東名の現場で50人が体験
東急建設は、独自開発した建設現場向けVR体験型の安全衛生教育システム に、吊り荷落下などの「建機・クレーン災害」とボックスカルバート型枠が崩れ落ちる事故などの「崩壊・倒壊」のコンテンツを追加した。これで建設現場の3大重篤災害を全てをカバーすることになり、より一層の事故撲滅が実現すると期待を寄せている。 - 建機自動化:日立建機が自律型建設機械の開発を容易にするシステムプラットフォームを開発
日立建機は、建設業で生産労働人口の減少や熟練技能者の高齢化が進行し、生産性の向上が喫緊の課題となっていることを踏まえて、解決策の1つとなる自動建機の開発を容易にするプラットフォームを開発した。 - 建機:デフロック制御とホイストコントロールを自動化したアーティキュレートトラック
キャタピラージャパンは、デフロック制御の完全自動化やスイッチタイプのホイスコントローラーを採用した車両「Cat 725 アーティキュレートトラック」を開発した。Cat 725 アーティキュレートトラックは、同社がリリースしている車両情報の取得システム「Cat Product Link」や車の状態可視化システム「VisionLink」と連携することで、位置や稼働状況を遠隔地で容易に確かめられる。 - 現場管理:“200カ所”の施工現場を遠隔監視するセンターを10事業所に設置、大和ハウスとNEC
大和ハウス工業とNECは、現場監督の作業効率を3割向上させることを掲げ、初弾で戸建て住宅を対象に、施工現場をAIを用いて遠隔管理する「スマートコントロールセンター」を全国10カ所に開設する。NECは、2021年度中にも遠隔管理のシステムを汎用化し、建設業界への普及を目指す。 - 製品動向:大林組と日野がダム建設現場で大型ダンプトラックの自動運転を実証実験
建機の自動化と自動建機群を一元管理するプラットフォームの構築を目指す大林組とダンプトラックの自動運転技術を開発する日野自動車は、互いの知見を合わせて、大型ダンプトラックにおける自動運転の実用化に向けた技術の開発を進めている。両社はこのほど、三重県伊賀市の建設現場で、大型ダンプトラックを用いて、自動運転のレベルで4に相当する“限定領域内の無人走行を想定した自動運転”の実証実験を行った。 - メンテナンス・レジリエンス OSAKA 2020:建機に後付けの120度視野角カメラ、“エッジAI”搭載で建設現場の安全監視
レグラスは、建設機械・産業用車両に後付け可能な現場の安全をディープラーニングで監視する高機能カメラ「EagleEye?」の出荷を2020年6月に開始した。