建機に後付けの120度視野角カメラ、“エッジAI”搭載で建設現場の安全監視:メンテナンス・レジリエンス OSAKA 2020
レグラスは、建設機械・産業用車両に後付け可能な現場の安全をディープラーニングで監視する高機能カメラ「EagleEyeII」の出荷を2020年6月に開始した。
レグラスは、「メンテナンス・レジリエンス OSAKA 2020」(会期:2020年7月29〜31日、インテックス大阪)内の「i-Construction推進展2020」で2020年6月に発売された安全監視AIカメラ「EagleEyeII(イーグルアイツー)」のデモンストレーションを行った。
独自のディープラーニングで建設現場の安全を確保
EagleEyeIIは、ネオジム磁石で、建機に簡単に取り付けが可能な安全監視AIカメラ。2眼のステレオカメラで、リアルタイムに人物や物体までの距離を測定し、1〜10メートルを3つの危険ゾーンに段階的に分け、それぞれのゾーンで人物を検知したら、光や音で危険を操縦者に伝える。オプションの「積層表示灯」を搭載すれば、距離に応じた色の灯が点灯して、近接の度合いを知ることができる。
EagleEyeIIは従来機種に比べて、水平視野角120度と垂直視野角90度で広範囲をカバーするようになった。さらに、現場に立っている人だけではなく、屈んで作業している人や倒れている人も認識する。フレームレートも最大で30fpsに向上し、よりリアルタイムでの正確な検出が行えるようになった。
EagleEyeII内での処理は、画像処理プロセッサのISP(Image Signal Processor)を搭載し、レンズゆがみ補正、画像鮮明化などの前処理を行う他、ディープラーニング手法の独自CNN(Convolutional Neural Network)を備えているため、クラウドやGPUサーバを必要とせず、全てエッジで処理を行う。
筐体は、防水/防塵(ぼうじん)のIP66対応、使用温度は0度から55度までで、酷暑の屋外での使用にも耐える。
また、ユーザーの要望に応じて追加できるオプションも用意されている。EagleEyeIIが捉えた映像を映し出してバックカメラのように使える「アナログモニター」、万が一の事故に備えて映像を録画する「DVR」、EthernetでEagleEyeIIと接続する「パネルPC」などだ。
パネルPCを建機に別途取り付ければ、タッチスクリーンでの検出距離や検出エリアなどの設定をユーザーが感覚的に行えるようになる。パネルPCには、検出結果を8インチモニターで映像確認する録画機能も備えている。
旧モデルのEagleEyeは、既に多くの企業に採用されているそうだ。現在、NETIS(新技術情報提供システム)に申請中で、受理されれば、EagleEyeIIの導入は、国や地方自治体が発注元となる公共工事で、工事成績評定や総合評価方式の入札で加点対象となるという。
総力特集:
メンテナンスと国土強靭化(ナショナル・レジリエンス)に焦点を絞った建設総合展「メンテナンス・レジリエンスOSAKA 2020」が2020年7月29日、インテックス大阪で開幕する。
コロナ禍の中で、ひさびさとなる建設展の開催となった本展では、インフラ検査・維持管理をはじめ、建設資材、防災・減災、i-Construction、労働安全衛生など、最先端の資機材やサービスが一堂に会する。特集ページでは、会場でのブース取材やセミナーレポートで、インフラの最新テクノロジーや市場動向を紹介する。
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