全国で進む再開発に注目が、フルハーネスなど法令動向にも高い関心が集まる:2019年BUILT年間記事ランキング(2/2 ページ)
2019年を振り返りますと、同年8月に発生した大雨や同年10月19日に発生した台風19号などの大規模災害が思い出されます。建設業界の方々にとっては、耐震、耐風を踏まえた設計や施工、BCPを考慮した施設管理にについて考えさせられた1年になったのではないでしょうか。そんな中、BUILTで2019年に公開された記事の中から、1年間の閲覧ランキングトップ10を紹介します。
フルハーネスは2018年に引き続きランキング上位
2位〜10位も再開発関連のものが多くを占める中、3位には「2月1日から建設業で5m以上の高所は“フルハーネス原則化”、新構造規格への適合も」がランクインしました。
2019年2月1日に施行された高所作業での“フルハーネス型”墜落制止用器具(旧名称:安全帯)の原則使用などを盛り込んだ改正政省令を扱った記事です。新構造規格では、フルハーネスや胴ベルト、命綱となるランヤードなどの使用高さの制限をはじめ、墜落制止用器具の構造、部品の強度などに求められる要件と、それを検証するための試験方法を、従来よりも厳格に定めています。
実は、2018年のランキングではフルハーネス着用義務化の記事は1位になっています。今回は惜しくも3位ですが、業界に関わる誰もが取り組まなければならない目下の課題となっていることが分かります。
*)関連記事:安全帯の名称「墜落制止用器具」に、フルハーネスの義務化で
*)関連記事:3Mのフルハーネスとミズノの空調ウェアを併用し、落下実験で安全性を確認
*)関連記事:“フルハーネス時代”の「はしごの安全対策」を3Mが提案、わずか30分で設置完了
2020大会に合わせ、国産材の新たな利活用を示したパビリオン
一方、5位には「CLTで“循環型社会”を実現!隈研吾×三菱地所×真庭市の“CLT 晴海プロジェクト”始動」がランクイン。
CLT 晴海プロジェクトは、晴海通りと有明通りの結節点に当たる晴海パークビル跡地(東京都中央区晴海3-2-22)の敷地面積6529.09m2(平方メートル)に、スギ・ヒノキのCLTを構造に組み込んだパビリオン棟、屋内展示棟、展示別棟の3棟を建設しました。隈研吾建築都市設計事務所がデザイン監修を務めたことも話題となったプロジェクトです。
編集部でも取材を行い、12月に催された関係者向け内覧会を「晴海に隈研吾氏が監修した“CLTパビリオン”が誕生、1年後には産地の真庭市へ移築」のタイトルで、掲載しています。CLTパビリオンの内観やパラメトリックな構造、1年後には木材が生産された岡山県真庭市へ里帰りし、新たなランドマークとして再利用される理由なども解説していますので、ぜひご覧になってください。
他にも惜しくもランキングに入りませんでしたが、2019年6月に経済産業省が「ビルシステムにおけるサイバー・フィジカル・セキュリティ対策ガイドライン第1版」を公表したことを受け、同省主催の「産業サイバーセキュリティ研究会」のビルサブワーキンググループを招いた座談会も業種の垣根を越えて閲覧されました。
以上のように、2019年は、大阪・関西万博やフルハーネス、オリンピックなどがキーワードになりました。BUILTでは、業界の課題をテクノロジーで解決するを掲げ、今後もICTの発達とともに変わりゆくトレンドを追い、情報を深掘りして伝えていきます。
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