神戸市で野村不初の再開発が始動、「垂水」駅前に30階建てマンション2021年度に着工:プロジェクト
神戸市垂水区で計画されている再開発事業が、市の都市計画決定を受け、本格的に動き始める。今回の対象エリアは、垂水駅前中央地区の北東側の一部でしかなく、再開発準備組合は地区全体で形成されているため、今後も区域内での再開発は続くとみられる。
野村不動産が事業協力者として参画している兵庫県神戸市の「垂水」駅北側の再開発事業が、2019年7月4日付で神戸市により都市計画決定が告示された。
「垂水」駅前の新たなランドマークとなる大規模複合再開発
再開発予定地は、垂水区の中心であるJR・山陽電鉄「垂水」駅から徒歩1分圏内に位置する施行区域面積0.7ヘクタールの土地。所在地は、兵庫県神戸市垂水区神田町3の一部、5、6、7番。
エリア内には、垂水センター街や垂水銀座通り、垂水一番街の各商店街の一部を形成している他、垂水廉売市場も含まれる。狭小な敷地が多く、老朽化した木造建物が密集しているため、再開発による都市再生が求められていた。
1986年には民間主導でまちづくりの基本構想が立案され、3つの準備組合によって検討が進められてきたものの具体化されず、2010年6月には組合を統合して「垂水駅前中央地区市街地再開発準備組合」を設立。2017年に全体計画コンセプトが準備組合から発表され、2018年1月には野村不動産が事業協力者としてプロジェクトに参画した。
垂水駅周辺は、神戸市の西の拠点と位置付けられ、駅周辺の公共施設の再整備を神戸市が検討しているなど、公共公益機能の充実や賑(にぎ)わい創出が期待されている。具体的には、駅前の低利用地の高度利用と都市機能の更新を行い、商業施設や居住機能の集積を図り、地域を活性化させる。また、建物の耐火/耐震化で防災性も高め、歩道状空地を整備して歩行者空間を確保する。
市が明らかにした施設案では、建築面積約3500平方メートルに、270戸のマンション(専用面積約2万800平方メートル)、低層部には商業・業務・生活利便施設(同約3100平方メートル)、190台を収容可能な立体駐車場から成る地下1階/地上30階建て(高さ101メートル)の複合施設が新設される予定。総延べ床面積は、約4万100平方メートルを見込む。
今後は、2020年度に組合設立の認可を経て、21年度に本体工事の着工、24年度の竣工を目指す。
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