マンハッタン最大級4000億円を投じた再開発ビル、Facebookの入居が決定:プロジェクト
三井不動産は、ニューヨーク・マンハッタンで、FacebookやBlackRockの入居が決まった超高層オフィスビルの建築を進めている。計画名称は「50 ハドソンヤード」で、ミッドタウンウェストの敷地面積約6400平方メートルに、58階建て延べ床面積約26万4000平方メートルのビルが2022年に完成する予定だ。
三井不動産は2019年11月15日、ニューヨーク・マンハッタンの再開発計画「50 ハドソンヤード」で、Facebookと賃貸借契約を締結したことを明らかにした。
マンハッタンの単体オフィスビルとしては最大級の規模
Facebookとの契約面積は、約10万平方メートル以上で、先に契約が取り交わしてる世界最大の資産運用会社BlackRockの賃貸借面積と合計すれば全体面積の約75%のテナントが既に埋まっていることになる。
プロジェクトの50 ハドソンヤードは、事業全体がマンハッタンで過去最大の複合開発「ハドソンヤード」の一つにあたるオフィスビルの開発。三井不動産が米国子会社「Mitsui Fudosan America(三井不動産アメリカ)」を介して参画しており、延べ床面積約26万4000平方メートルと、マンハッタンでも単体オフィスビルとしては最大クラスで、総事業費は4000億円を超える見通し。このうち三井不動産の事業シェアは9割だという。
建物規模は、地下3階/地上58階建てで、延べ床面積は約26万4000平方メートルを見込み、環境性能にも考慮し、環境対応評価システム「LEED」の「GOLD」認証取得も目指す。ビル設備としては、地下鉄7番線「34丁目ハドソンヤード駅」に直結し、絶好のロケーションが確保され、エントランス前に広がる公園、大型整形のフロアプレート、大型テナントの本社利用ニーズを想定した複数の専用ロビーエリア、さらにマンハッタンでは希少な車寄せと一定台数の駐車場も備える。
ハドソンヤード全体の再開発は、近年著しい変化を遂げているマンハッタンのミッドタウンウェストの合計約11ヘクタールの面積を対象にしている。この地に、5棟の最新鋭オフィスビル、商業施設、約4000戸の高層分譲・賃貸住宅、200室以上の高級ホテル、文化施設、学校などを整備する「ミクストユース型」のプロジェクトで、COACH本社やロレアル、SAP、KKR、ボストンコンサルティング、タイムワーナー本社などが入り、マンハッタンで初出店となる高級百貨店「ニーマンマーカス」も開業済み。
周辺では、約1.6ヘクタールの公園が整備される他、高架貨物線跡を空中緑道として再生することも試みられている。
ハドソンヤード全体の開発を主導しているのは、全米有数のデベロッパー「Related Companies」、カナダの不動産投資会社「Oxford Properties Group」。
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