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“フルハーネス時代”の「はしごの安全対策」を3Mが提案、わずか30分で設置完了建設現場の墜落防止対策(1/3 ページ)

“フルハーネス型”墜落制止用器具(旧名称:安全帯)の原則使用などを盛り込んだ関係政省令が2019年2月1日施行された。国内でもフルハーネス標準の時代に入ったことを踏まえ、スリーエム ジャパンは新たな墜落防止製品として、はしごに取り付けて、Dリング付きのフルハーネスと併用する垂直親綱シリーズを発売する。グローバルでは、80年以上もの歴史がある設備側の安全対策製品を市場に投入することで、フルハーネスだけではない、建設現場におけるトータルソリューションでの安全確保を提案する。

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 スリーエム ジャパンは、はしごに取り付ける安全対策製品「3M DBI-サラ Lad-Saf 垂直親綱シリーズ」の受注販売を2019年11月5日から開始する。発売に先立ち、同年10月9日に東京・品川区のスリーエム ジャパン本社で、事業方針説明会及び新製品発表会が開催された。

規制のまだない日本でも、はしごからの墜落事故を無くす

 新製品の3M DBI-サラ Lad-Saf 垂直親綱シリーズは、橋梁(きょうりょう)や工場、ビルの塔屋、風力発電所などに常設されている定期点検やメンテナンス用のはしご/タラップに取り付け、胸部にDリングがあるフルハーネスとつなげることで、地上への墜落を防ぐ安全対策製品。


はしごに取り付けた「3M DBI-サラ Lad-Saf 垂直親綱シリーズ」と、3MのフルハーネスとDリング部分で接続

 労働安全衛生法の施行令が改正され、高所での胴ベルトに替わり、フルハーネス着用が原則化されたことに伴い、スリーエム ジャパンでは2019年2月に、墜落時に身体へかかる荷重を分散するフルハーネスのラインアップを4製品から8製品に拡充。米国での40年以上にも及ぶ知見を生かし、保護具によって事故を防ぐことに注力してきた。


スリーエム ジャパン 安全衛生製品事業部 事業部長・中辻陽平氏

 説明会で、安全衛生製品事業部 事業部長・中辻陽平氏は、「厚生労働省の労働災害統計によると、驚くべきことに、毎週5人、営業日換算では毎日1人が墜落事故で命を落としている。当事業部が目指すのは、労働災害を無くすこと。そのためには、作業者個々人を守る保護具の開発や市場へ浸透していくことがミッションだ」と語った。実際に、国内でのフルハーネス製品の本格投入後には、トレーニングにも重点を置き、これまでに、70回以上、4000人以上に対して、フルハーネスの吊(つ)り下げ体験やデモトラックによる落下実験、VR体感シミュレーションを行っている。

 今回、国内での取り扱いを開始する、はしごに取り付ける安全対策製品については、「フルハーネスとランヤードだけでは、現場での安全確保は十分とはいえない。さらなる措置を講じる必要があり、従来の保護具から範囲を拡大し、設備自体の安全性も含めたトータルソリューションでの墜落防止製品の第一弾として、はしご昇降時の安全対策を提案する。5年後には墜落防止用製品事業だけで、2019年の2倍の売上規模を目標としたい」と新規事業の戦略を述べた。

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