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3Mのフルハーネスとミズノの空調ウェアを併用し、落下実験で安全性を確認フルハーネス

高所作業での“フルハーネス型”墜落制止用器具(旧名称:安全帯)の原則使用などを盛り込んだ改正政省令が2019年2月1日施行された。これを受け、酷暑が続く夏場の工事現場では、フルハーネスと、暑さをしのぐ電動ファン付きワークウェアを併用する姿が多く見られるようになると予想される。

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 スリーエム ジャパンは2019年7月8日、ミズノと共同で、フルハーネスと電動ファン付きのワークウェアを併用した落下実験を行い、安全性を検証したことを明らかにした。

構造の相性で思わぬ事故が起きる危険性


ずり上がった電動ファン付きワークウェアのジャケットが首を絞めてしまう危険性がある 出典:スリーエム ジャパン

 米3Mは70年以上前に墜落防止の取り組みをグローバルで始め、およそ40年前にフルハーネス型安全帯を発売。2017年10月には、日本市場に適合した製品を開発して本格参入し、現在では安全性と作業性を追求した墜落防止用製品の周知活動を含め、現場に供給している。

 一方、ミズノは、スポーツウェアで培った技術を生かし、独自のパターン設計で空気の流れをコントロールした電動ファン付きの作業服「エアリージャケットシリーズ」を展開。両わき腹の位置に備え付けられたファンから取り込んだ空気が、首の前後や腕から抜ける構造で、夏場に屋外で重労働をこなす作業者に快適さをもたらす。

 墜落制止用器具の法令改正により、2022年1月2日以降は6.75メートル(建設業では5メートル)以上はフルハーネス安全帯の着用が義務付けられ、一定の猶予期間はあるものの、今後はフルハーネスの着用が建設現場で急速に普及していくことが見込まれる。それと同時に、近年の猛暑の影響で、現場の作業員がハーネスに重ねて電動ファン付きのワークウェアを着ることも増えつつある。

 しかし、フルハーネスと空調機能を有したワークウェアを両方着ることの安全性が確保されていない場合は、落下時に思わぬ事故につながる可能性が指摘されている。例えば、フルハーネスが身体からずり上がることで、空調ワークウェアの襟元(えりもと)が墜落者の首を絞めてしまったり、電動ファン付きウェアの背中側に設けられたDリングとランヤードを通すための穴に、ショックアブゾーバーが引っ掛かって展開せず、墜落時の衝撃を十分に吸収できなかったりすることなどが想定される。

 そこで両社は2019年3月に、併用時の安全性確認を米3Mの研究所で実施。実験では3Mのフルハーネスとランヤード、ミズノのフルハーネス型安全帯対応モデル「エアリージャケットTOUGH<F2JE9182>」を着用したセンサー内蔵マネキンを用い、落下時に身体にかかる負荷を検証した。その結果、適切に着用している場合は、ミズノ製エアリージャケットは3Mが国内で販売しているフルハーネスと、安全に併用可能なことが証明されたという。


ミズノとの共同落下実験。落下時にも首元に余裕がある 出典:スリーエム ジャパン

 ミズノの担当者は、「機能性や安全性に加え、スポーツウェアメーカーだからこそ実現できる“作業性”の良さを追求してワークウェアを開発している。3Mも長年フルハーネスを開発・販売してきた知見を生かし、安全性だけでなく、作業性も重視しており、製品開発における理念が合致したことから共同実験が実現した。今回の検証結果を受け、今後さらに安全性を高めた商品の開発を進めていく」とコメントしている。

※商標申請者からの指摘により、初出時の「空調服」の記述から、「電動ファン付きのワークウェア」「空調ウェア」に改めました。

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