「労働力調査」データに見る建設技術者を取り巻く雇用環境:建設業の人材動向レポート(13)(3/3 ページ)
本連載では、ヒューマンタッチ総研が独自に調査した建設業における人材動向をレポートする。第13回目となる今回は、総務省統計局の「労働力調査」をベースに、建設技術者を取り巻く雇用環境がどうなっているのかをリサーチした。
建設技術者は2000年の42万人から2018年には33万人に減少
建設業で就業する建設技術者数の推移を見ると、2000年の42万人から2006年には30万人にまで減少、その後は増減を繰り返しながらもほぼ横ばいで推移していたが2013年には27万人に減少した(図表6)。
2018年には前年より3万人増加して、33万人となっており、東京オリンピック・パラリンピックを控えて拡大する建設投資を背景に建設業各社が建設技術者の採用を積極的に進めていることが分かる。
■まとめ
ここまで見てきたように、「労働力調査」のデータを分析することにより、我が国の雇用環境は好調であり、企業サイドの高まる人材需要を背景に人々の働く意欲が高まり、シニア層や女性を中心に就業者数が増加し続けていることが分かった。
一方、建設業と建設技術者について見ると就業者数は横ばいで推移しており、建設投資の増加を背景とした人材需要の高まりの中においても、人材獲得はあまり進んでいないことや高齢化が進んでいることなどを把握できた。
前回紹介した厚生労働省の「一般職業紹介状況」から得られる労働需給に関するデータと、労働力調査から得られる就業状態に関するデータを合わせて分析することで、より総合的に労働市場を分析することができる。
著者Profile
ヒューマンタッチ総研(所長:高本和幸)
ヒューマンタッチ総研は、ヒューマンホールディングスの事業子会社で、人材紹介事業を行うヒューマンタッチが運営する建設業界に特化した人材動向/市場動向/未来予測などの調査・分析を行うシンクタンク。独自調査レポートやマンスリーレポート、建設ICTの最新ソリューションを紹介するセミナーなど、建設業界に関わるさまざまな情報発信を行っている。
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