ハローワーク統計に見る建設技術者の需給動向:建設業の人材動向レポート(12)(1/2 ページ)
本連載では、ヒューマンタッチ総研が独自に調査した建設業における人材動向をレポートする。今回は、厚生労働省が公表している「一般職業紹介状況」から、建設技術者の需給動向を探った。
今回は、人材の需給動向を把握するための主要統計である厚生労働省の「一般職業紹介状況」から、建設技術者の需給動向について長期時系列でデータを紹介する。
一般職業紹介状況とは、公共職業安定所(ハローワーク)における求人、求職、就職の状況をとりまとめたものであり、有効求人倍率、新規求人倍率、有効求人数、新規求人数、有効求職者数、新規求職者数などの指標を知ることができる。
■建築・土木・測量技術者の有効求人倍率は2010年以降、急速に上昇
まず、建築・土木・測量技術者の有効求人倍率(常用・パートを除く)の推移を専門的・技術的職業全体と比較して見る。
2001年時点では、0.84倍で専門的・技術的職業全体の1.01倍を下回っていた建築・土木・測量技術者の有効求人倍率は、2011年以降急速に上昇して2018年には6.18倍に達し、専門的・技術的職業の2.21倍を大きく上回っている(図表1)。
有効求人倍率は、ハローワークに登録されている「求人数」を応募している「求職者数」で除した値であり、倍率が高くなるほど企業は人材を確保するのが難しくなる。これは、現在の職業分類で統計を取り始めた2000年以降で最高の倍率であり、建設技術者の採用が今までに経験したことがないほど、困難な状況になっていることが分かる。
■ハローワークでの建築・土木・測量技術者の就職件数は減少傾向が続く
次に、ハローワークでの建築・土木・測量技術者の就職件数と充足率の推移を見ると、就職件数は2009年をピークに減少傾向が続いており、充足率※は2009年の19.6%から2018年には4.4%にまで低下している(図表2)。
ここから、ハローワークでは建築・土木・測量技術者を採用することが年々困難になっていることが分かる。
※充足率とは就職件数を新規求人数で除したものであり、比率が低いほど人材を採用することが難しい。
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