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主要統計から見る建設業の市場動向、「出来高」は54.5兆円に増加:建設業の人材動向レポート(11)(1/3 ページ)
本連載では、ヒューマンタッチ総研が独自に調査した建設業における人材動向をレポートする。今回は、国土交通省の「建設総合統計」「建設工事受注動態統計調査」「建設工事施工統計調査」をリサーチした。
今回は建設業界の市場動向を把握するための主要統計である、国土交通省の「建設総合統計」「建設工事受注動態統計調査」「建設工事施工統計調査」から、最新のデータを紹介する。
■建設業の「出来高」は54兆5959億円に増加、市場規模は拡大傾向
「建設総合統計」では、「出来高」(工事請負金額のうち施工が完了した部分に相当する金額)や「手持ち工事高」(工事請負金額のうち、未着手の工事に相当する金額)を把握することができる。
「出来高」とはほぼ「完成工事高」と同じ意味であり、建設業の売上高を示すものである。
「手持ち工事高」とは、施工を完了させることによって「出来高」となる工事の金額であり、将来の売上高動向を示す先行指標となるものである。
工事種類別・発注者別の年間出来高の推移を見ると、出来高は2012年の43兆1157億円から2018年には54兆5959億円に増加していること、全体出来高の約半分を占めている民間の建築工事の増加傾向が続いており、建設市場の拡大を牽引(けんいん)していることが判明する(図表1)。
■「手持ち工事高」の水準は低下しており、将来的な売上確保の不安材料となる
次に、月別の「出来高」と「手持ち工事高」の前年比の推移を見ると、2018年6月以降は「手持ち工事高」の対前年同月比はマイナスとなっており、将来的な売上確保に向けての土台が弱まりつつあることが分かる(図表2)。
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