物流施設の柱を国産CLT材で保護、三菱地所らが環境配慮型の根巻を開発:CLT
三菱地所、高島、MEC Industryの3社は、国産CLT材を活用した柱保護根巻「KiNEMAKI」を共同開発した。物流施設などの鉄骨柱を保護し、現場組み立ての乾式工法で、工期短縮とメンテナンス軽減、環境負荷の低減が実現する。
三菱地所、高島、MEC Industryの3社は2026年10月8日、国産木材から製造するCLT(直交集成板)パネルを活用した柱保護根巻「KiNEMAKI(キネマキ)」を発売した。先行して、三菱地所が手掛ける大規模マルチテナント型物流施設「ロジクロス三郷」に適用した。
乾式工法と軽量CLTパネルで工程を削減、多層構造で衝撃も吸収
物流施設では、鉄骨柱をフォークリフトなどの接触から保護するため、柱の根元にコンクリート製の根巻を設けるのが一般的だ。しかし、現場施工のコンクリート根巻は型枠の組み立てや打設、養生など複数の工程を要し、破損時の補修にも手間が掛かっていた。また、大型建築では環境配慮への対応も課題となっている。
新開発のKiNEMAKIは、工場で製作したCLTパネルを現場で組み立てる乾式工法(水を使用しない工法)を採用。従来のコンクリート根巻に必要な工程を大幅に削減し、施工期間の短縮を実現した。勝ちパネルで1枚当たり約21.1キロの軽量なパネルを使用するため、搬入や現場での取り回しにも優れる。
CLTパネルの内側は緩衝材や耐火被覆材を配置した多層構造で、衝突時の衝撃を吸収して鉄骨柱とフォークリフトへのダメージを軽減する。想定される衝撃荷重の約3倍となる145キロニュートンでの耐衝撃試験でも保護性能を確認済み。ボルト接合による組み立て構造のため、破損した面だけの交換も容易で、軽微な損傷なら木材用パテで補修できるなど、運用後のメンテナンス負担も軽減する。
3社の役割は、製品の販売窓口(工事請負)と資材調達を高島が担い、MEC IndustryがCLT材料の調達と製品加工を行う。
国産材を活用するため、炭素固定効果(250ミリメートル角鉄骨柱用50本で約4.2トンのCO2換算)に加え、天然木の温もりある意匠で無機質になりがちな物流空間に新たな価値ももたらす。
3社は今後、全国の物流施設や倉庫などへの採用に向けて販売を拡大し、国内森林の循環再生や地球環境の保全に貢献していく。
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