三菱地所がインド市場に本格参入 オフィスや住宅、物流施設などの不動産開拓:産業動向
三菱地所は、インド市場の不動産事業拡大の足掛かりとしてムンバイに支店を開設し、2025年11月中旬から本格的に営業を開始する。
三菱地所は、100%子会社の三菱地所アジア社 インド支店をムンバイに設立した。2025年9月17日に登記が完了しており、同年10月以降からシェアオフィスで営業を開始し、同年11月中旬には専用オフィスへと移転する。
三菱地所グループは、1970年代から海外事業に取り組み、北米や欧州、アジア、オセアニアの計10カ国と地域で現地拠点を設立。三菱地所アジア社は2008年にシンガポールで開設以来、ベトナム、タイをはじめとした東南アジアやオセアニアで不動産事業を展開している。
インドでは、2023年のチェンナイでのオフィスビル事業「International Tech Park Chennai,Radial Road」を皮切りに、ベンガルール、デリー首都圏、ムンバイに進出し、オフィスや住宅、物流施設の計7物件に参画した。
三菱地所はインドを中間層の拡大や豊富な労働人口を背景に、今後も成長が期待される有望な市場とみている。都市化やインフラ整備も進展し、オフィスや住宅、物流施設など多様な不動産ニーズが高まっているという。インド支店の設立で、地域社会との関係をさらに深めるとともに、既存プロジェクトへの関与強化、新規案件のソーシングチャネル拡大、事業や人材のローカル化を図る。
三菱地所は長期経営計画2030の柱で「成長する海外マーケットへの展開」を掲げている。今後も日本、海外各国での知見や経験を生かし、インド事業を深化/拡大することで、優良かつ多様性のある事業ポートフォリオを実現していくとしている。
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