ドローン映像とCIMモデルを重ねるxR施工管理システム改良、照合誤差を約50%低減 西松建設:現場管理
西松建設は、ホロラボと共同開発したドローンの空撮映像にCIMモデルをリアルタイムで重ねるxR施工管理支援システムをアップデートした。
西松建設は2026年10月15日、ホロラボと共同開発したドローンの空撮映像にCIMモデルをリアルタイムで重ねるxR施工管理支援システムをアップデートしたと発表した。施工計画や設計データと実際の施工状況との照合誤差を従来比で約50%低減するとともに、複数の3Dモデルの切り替え/同時表示機能やヘッドマウントディスプレイ(HMD)を活用したドローン操縦支援機能を拡充した。
西松建設とホロラボは2023年度、ドローンのカメラ映像に施工現場のCIMモデルをリアルタイムで重ねて表示する技術を開発した。施工現場の全景を俯瞰しながら計画と現況の差異を確認でき、地点ごとのAR位置合わせが不要になることで、現場内の移動削減と作業効率化を実現した。
今回のアップデートでは、西松建設のJVが施工する宮城県名取市の川内沢ダムでの試験運用を通じて得られた課題や現場の要望を反映し、AR表示精度の向上や機能拡充を図った。
AR重畳の精度向上に向け、システムの基盤となる映像処理とAR描画技術の処理フローを最適化した。ドローンが高速で移動する場合や複雑なカメラワークでも位置ずれを抑え、3Dモデルを安定して重畳表示できるようにした。また、映像の取得からCG合成、出力までのレンダリング処理も改善し、通信負荷の軽減と映像転送の高速化を実現した。
一連の改良により、施工計画や設計データと実際の施工状況との照合誤差を従来の30センチ以内から15センチ以内に縮小。従来比で約50%低減し、現場状況をさらに正確に把握できるようになった。
施工検討や施工管理に活用する機能として、複数の3Dモデルを切り替えたり、同時に表示したりできる機能を追加した。ドローン映像で現場全体をリアルタイムに確認しながら、目的に応じた3Dモデルを選択して表示できる。複数のモデルを重ねることで、構造物同士の干渉確認や施工計画の比較、検証にも対応する。
ダム工事では、転流工の施工手順に合わせて3Dモデルを段階的に表示することで、各施工段階の確認が容易になる。施工計画の検証だけでなく、工事関係者間での施工手順の共有や合意形成の効率化にもつながる。
ドローンの操縦支援機能では、HMDの空間ヘッドアップディスプレイ(HUD)に表示する情報を拡充した。従来はARによる3Dモデルの重畳表示に加え、周囲の安全確認に必要な情報やドローンの位置、高度、バッテリー残量などの飛行情報をリアルタイムに表示していた。一方、ドローン周辺の障害物との距離や安全状態を把握しにくい課題があった。
今回の改良では、ドローンに搭載した各種センサーの情報を活用し、HUD上のドローンモデルの周囲に障害物との距離に応じた警告表示を追加した。障害物が接近すると黄色や赤色で警告を表示し、操縦者が障害物との距離や飛行中の安全状態を視覚的に確認できる。ドローンを目視しにくい状況でも、より安全な操縦を支援し、遠隔施工や施工管理での作業効率と安全性の向上を図る。
今後は、竣工イメージや作業進捗をARで重ねて表示し、現場状況をリアルタイムに把握して施工計画と比較できるAR施工管理支援ツールの実用化を進める。遠隔施工や災害復旧工事への展開も視野に入れ、施工管理の高度化と現場運営の効率化につなげる。
さらに、xR技術を活用したハードウェアとソフトウェアの開発を進め、現場見学者向けのVRコンテンツや竣工イメージを使ったプロモーション動画の制作などにも応用する方針だ。
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