「後付け」で既存建機を遠隔操作 車いす利用者でもオペレーターに:第8回 国際 建設・測量展
本陣水越は、油圧ショベルの遠隔操作を可能にする後付け式のレトロフィットキット「アクティブロボ SAM e10Pro」を提供している。既存建機にも対応するため、コストを抑えた導入が可能で、高齢化対策と作業者の職域拡大を同時に実現する。
建設業界では、熟練技術者の高齢化と若手入職者の減少が叫ばれて久しい。その打開策として、施工を省人化する建設ICTに注目が集まっている。その1つ建機の遠隔操作は、現場での作業が体力的に難しくなった高齢者や家庭の事情で現場までの移動時間が困難な人でも、建機が扱えるようになる技術だ。しかし、問題なのは、遠隔操作に対応した建機の導入コストだ。
本陣水越が、「第8回 国際 建設・測量展(CSPI2026)」(会期:2026年6月17〜20日、幕張メッセ)で紹介した「アクティブロボ SAM e10Pro」は、遠隔操作のハードルを下げる専用キット。既存の建機に追加することで遠隔操作対応マシンにアップグレードできる。新型機を購入するのに比べ、コストを大幅に抑えられる。
既存建機が「遠隔操作機」に、導入ハードルを下げる後付け方式
最大の特徴は、特定のメーカーや新車に限定されない「後付け」方式だ。従来の遠隔操作技術は、メーカーが製造段階から組み込んだ専用機を用いるケースが多かった。しかし、本陣水越のシステムでは、ロボットを取り付けることで、既存建機でも遠隔操作が可能になる。
建機の操作に使うレバーやペダルをロボットのアクチュエータを使って動かすため、メーカーや機種を問わない。
標準的なパッケージの導入費用は、800〜1000万円に設定。アタッチメントの接続金具などを調整すれば、バックホー以外の多様な建機にも対応できる拡張性がある。
導入までの期間も極めて短い。部材の在庫があれば、発注からわずか1カ月程度で使い始められる。後付けというアプローチは、多額の設備投資を避けたい地方の建設会社や既存資産を有効活用したい企業にとって現実的な選択肢となる。
身体的制約を超えて、建機操作を「車椅子ユーザー」の新たな仕事に
本陣水越では、単なるリモート操作以外にも、別の活用方法も模索している。代表取締役の水越雄一氏は、「建設DXやICT施工の普及を目的に、一般社団法人の先端技術普及推進機構(SPAT)を設立した。その活動の中で、車椅子で生活している方が建機に乗り降りすることなく操作できる作業環境の実現も目指している。まだ、現場で稼働させるまでには至っていないが、メーカーとの取り組みは2025年から本格化しており、実用化に向けたカウントダウンは始まっている状況だ」と説明した。
ICTを活用した工事手法は、業界が抱える課題の解決や改善に大きく役立つと考えられている。しかし、そこにはコストの壁が立ちはだかる。その点、本陣水越のソリューションには、コストを抑えつつ工事環境を変える力がある。
建機の種類を選ばない柔軟性を備え、短期間で低コストでの導入を可能にする。遠隔操作技術を一部の特殊な工事現場から、日常的な施工現場へと普及させる起爆剤となる可能性を秘めている。
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