CO2を固定して排出量を削減する地盤改良技術を建物基礎に初適用、竹中工務店:脱炭素
竹中工務店は、コンクリート解体ガラから再生した微粉を炭酸化したCO2固定微粉を活用する地盤改良技術「CUCO-CO2固定地盤改良」を物流施設「古賀ロジスティックスセンター」の新築工事に適用した。
竹中工務店は2026年4月、地盤改良技術「CUCO-CO2固定地盤改良」を物流施設「古賀ロジスティックスセンター」の新築工事に適用したと発表した。解体ガラから再生した微粉を反応(炭酸化)させ、その生成物を地盤改良材用の微粉(CCU材料)として再利用し、CO2を長期的に貯留する技術だ。
物流施設の新築工事でCO2排出量を15%削減
竹中工務店は鹿島建設、デンカとともに、NEDOのグリーンイノベーション基金事業「CO2を用いたコンクリート等製造技術開発」プロジェクトを進めるコンソーシアム「CUCO」の幹事会社として、カーボンネガティブコンクリートの技術開発を進めている。
CUCO-CO2固定地盤改良は、コンクリート解体ガラや地盤改良解体材に含まれるカルシウム分とCO2を反応させて固定し、その生成物を地盤改良材用の微粉として再利用する新工法。材料中にCO2を長期的に貯留できる点を特長とし、建物基礎への適用は初になるという。
古賀ロジスティックスセンターは、福岡県古賀市で建設を進めている物流施設。今回、付属する防火水槽を支える柱状の地盤改良体約80立方メートルのうち、約20立方メートルに適用した。
地盤改良体の仕様は直径1.2メートル、長さ8.0メートル。施工後に実施した圧縮強度試験や六価クロム溶出試験などの品質調査では、構造物を支える地盤改良体として想定通りの性能を満たすことを確認した。
新工法の適用により、1立方メートル当たり約16キロのCO2を固定した。竹中工務店によると、一般的な地盤改良工法と比べてCO2排出量が15%削減したという。2024年1月に公表した大型重機用仮設走行路への初適用時は5%の削減だったが、その後の技術改良によって削減効果が高まったという。
今後は、CUCO-CO2固定地盤改良の長期的なデータ収集を進め、2030年には液状化抑止などに用いる地盤改良への適用拡大を目指すとしている。
日本ではセメントを用いた地盤改良が主流で、年間約800万トンのセメントを使用しており、地盤改良用を含むコンクリート系用途全体の約20%に当たるという。地盤改良時にセメント由来で排出するCO2は1立方メートル当たり100〜150キロと大きく、脱炭素化が課題となっている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
竹中工務店、万博23施設で新築時CO2を6020t削減 リユース部材など活用
竹中工務店は、大阪・関西万博で実施設計・施工を手掛けた23施設に複数のCO2削減技術を導入し、新築時の温室効果ガス排出量をCO2換算で6020.8トン削減した。これは、万博会場面積の約4.4倍に当たる684.2ヘクタールの森林が1年間に吸収するCO2量に相当する。
残コンにCO2を固定化した合成炭酸カルシウム、土木建設材料に適用できるか 出光興産が適用試験
出光興産と日本コンクリート工業、灰孝小野田レミコンは共同で、コンクリートスラッジを利用して排ガス中のCO2を固定化した合成炭酸カルシウムの土木建設材料への適用に向けた試験を開始する。
清水建設が脱炭素型地盤改良工法を実工事に初適用 溶融スラグとバイオ炭活用
清水建設は、東洋スタビと共同開発した脱炭素型地盤改良工法「SUSMICS-G」を、東京都町田市の駅改良工事で初適用し、施工時のCO2排出量を実質ゼロに抑えた。
清水建設が埋め戻し地盤材料にバイオ炭活用、地盤内に炭素を貯留
清水建設は、セメント系固化材を使用する流動化処理土にバイオ炭を混合した、環境配慮型の埋め戻し地盤材料を実用化した。
地盤改良工事でCO2を固定化、実地盤で実証実験 東洋建設とエア・ウォーター
東洋建設とエア・ウォーターは、軟弱地盤を改良する深層混合処理工法(CDM工法)で使用するセメントスラリーにドライアイスを混入し、実地盤にCO2を固定化する実証実験を行った。
液状化対策や地盤改良の脱炭素化 CO2排出量を6割削減する大林組ら3社開発のグラウト材
大林組は、大阪防水建設社、富士化学と、地盤改良や液状化対策の脱炭素化を実現するグラウト材「Infill Hard Geo」を開発した。コロイダルシリカを工場生産から天然由来に置き換えることで、製造時のCO2排出量を6割削減し、既に護岸耐震補強工事などで3件の導入実績がある。
「脱炭素×建設」ニュース10選 2025年度Q1(4〜6月)
ウェブサイトに掲載した記事を印刷しても読みやすいPDF形式の「電子ブックレット」にまとめました。無料のBUILT読者会員に登録することでダウンロードできます。今回のブックレットは、2025年4〜6月の第1四半期にBUILTで公開したカーボンニュートラル関連の注目ニュース10選です。

