金城学院大デザイン工学部が新施設を公開 実践重視の建設DX人材を育成:建築教育(2/2 ページ)
金城学院大学が2026年4月に新設した「デザイン工学部(建築デザイン学科/情報デザイン学科)」の新施設「ファブスタジオ」と「HARAPPA」が供用を開始した。建築設計のゲンバで使われている3Dプリンタなど最新のデジタル工作機械を備え、実践的なスキル習得を支援。産学連携の拠点として、次世代の建設IT人材の育成を標ぼうする。
AI含む高度人材育成を担う「HARAPPA」
情報デザイン学科のHARAPPAは、既存棟のF1棟の1フロアを改装する形で整備した。学生間の創造や交流を促す中心施設と位置付け、ミーティングや簡単なプレゼンなどができる空間構成に工夫を凝らした。
情報デザイン学科では情報を軸に、映像やアプリ開発、福祉、デザインと多様な人材の輩出を想定し、AIやデータサイエンス、メディア表現を横断して学ぶ。背景には、IT人材育成への社会的関心の高まりがある。2030年までに最大約80万人のIT人材が不足するとされており、最新技術を基礎から学習し、社会課題の解決を導く技術を持つ学生を世に送り出すことが今の大学教育に求められている。
こうしたニーズを満たすため、フロア内には3Dプリンタ、レーザーカッター、大判プリンタ、刺繍プリンタなどを配置した「ファブラボ」、プログラミングや映像/デザイン制作、ドローンの操縦などができる「ガレージ」、オンライン会議などに使える個室ブースなどを設け、ITを中心とした高度なスキルを養える環境を整えた。設計は大学内部で行い、施工は大成建設が担った。
新技術に触れることで、未来を切り開く力を
2026年4月6日の式典で学長の小室尚子氏は、「新施設の開設で、(金城学院大学は)新しい学びの場としてスタートを切ることとなる。学生に寄り添い、未来を切り開いていく力を育んでいきたい」と意気込みを語った。
学部長で情報デザイン学科の教授も務める牛田博英氏は、「新しい施設は学生が手を動かし、学びを深める実践の場だ。ここから生まれる多様なアイデアと挑戦が、これからの社会を支える新しい価値へとつながることを期待している」とエールを贈った。
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