日本の建設就業者数は世界8位も、平均年収はG7最下位 韓国やシンガポールを下回る:調査レポート
ヒューマンリソシアは、世界の建設業の就業者数と給与水準を調査した。その結果、日本は就業者数で世界8位も、賃金はG7最下位となった。アジア各国との平均年収比較でも、韓国やシンガポールを下回った。
ヒューマンリソシアは2026年4月23日、国際労働機関(ILO)などのデータをもとに、世界の建設業における就業者数と給与水準の調査レポートを公表した。
その結果、日本は建設業就業者数が世界149カ国中8位と上位に位置する一方で、平均年収は先進7カ国(G7)で最下位と、国際的に賃金水準の低さが明らかになった。建設人材が集中するアジア地域の比較でも、韓国やシンガポールを下回り、必ずしも優位とはいえない状況が確認された。
日本の建設業就業者数は世界第8位
世界の建設業就業者は、149カ国の合計で2億4114.5万人で、前年比436.3万人増加(2.0%増)。地域別では、アジア/太平洋地域が全体の63.8%を占め、建設人材の多くが同地域に集中している。
国別では、1位インド(6055.8万人)、2位中国(5043.5万人)などに続き、日本は8位で、建設業の人材規模は一定水準を維持していることが分かる。
建設業の平均年収は国ごとの差が大きく、増減率にもばらつき
建設業就業者の平均年収をみると、平均年収が最も高いスイスは7万9900USドルとなり、上位国は欧州を中心に高水準な一方、各国の経済状況や為替動向などの影響を受けて、国ごとの水準差が大きい結果となった。
日本は2万7953USドルで、先進7カ国(G7)の中で最も低い水準。順位も、USドルベースでの国際比較ではデータが取得できた121カ国中、前年の25位から29位へと低下し、国際的にみた賃金水準の位置は相対的に下がっている。
平均年収の前年比増減率を比較すると、増加率が最も高いセネガルは同113.4%増、クロアチアは同64.1%増、モーリシャスは同53.4%増となるなど、上昇幅にもばらつきがみられた。
日本は同6.3%の減少となり、比較可能な82カ国中で73位と低迷。なお、日本の建設業における平均年収は、円ベースでは近年緩やかに上昇傾向にあるものの、為替市場の影響もあり、USドル換算では減少した。
アジア比較でも日本の建設業給与は韓国やシンガポールを下回る
建設人材が集中するアジア地域でも、日本の建設業の平均年収は韓国やシンガポールを下回った。国際比較の観点では、日本の給与水準は、アジアの中でも必ずしも優位とはいえない状況にあると分かった。
今回の調査結果から、日本の建設業は、就業者の人数規模では世界8位と上位に位置しているものの、働く国として海外からみると、給与面での優位性は高くないことが判明した。
世界各国では、海外からの建設人材確保に向けた多様な取り組みがみられる。韓国では外国人労働者受け入れ制度を活用した人材確保が進み、シンガポールでも建設分野での海外人材の活用が進められている。
建設就業者数が減少傾向にある国内では、人材確保の重要性が高まっており、海外からの人材採用も有効な選択肢の一つとなりつつある。国内の建設業で働く海外人材は、2025年10月末時点で20.6万人に上り、10年で約5倍に上昇。ヒューマンリソシアでは、「海外人材の活用が進む中、世界各国の動向を踏まえると、国際的な比較を踏まえた賃金水準を含む処遇条件の設定が、より重要な要素になる」と分析している。
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