九産大で3DCAD×AIの設計講義を検証 実務との差を埋める建築教育モデル提示:AI
安心計画は、住宅設計の実務で用いる3D住宅CAD「Walk in home」と建築生成AI「タノモシカ」を九州産業大学 建築都市工学部 住居・インテリア学科の特別講義に採り入れ、学生の実務意識にもたらす結果を発表した。
安心計画は2026年1月9日、産学連携による次世代の建築人材育成を目的に、住宅設計の実務で用いる3D住宅CAD「Walk in home」と建築生成AI「タノモシカ」を九州産業大学 建築都市工学部 住居・インテリア学科の特別講義に取り入れた結果を発表した。2025年12月4〜25日に開催した特別講義では、最新のデジタルツールが設計スキルの習得や実務意識の醸成にどのような効果をもたらしたのかを探った。
大学の建築教育と設計実務のギャップを埋める新たな教育モデル
講座では学生は3人1組、全14チームに分かれ、住宅プランニングから3D化、AIによる表現のサポート、最終プレゼンテーションまでを一貫して体験した。
安心計画とLib Work、九州産業大学 香川治美研究室が開発した教材には、住宅設計業務と同様のワークフローを反映した内容を採用。学生はCAD操作の基礎習得に加え、耐震性や省エネルギー性能を数値で確認しながら設計を進め、設計意図を言語化して発表するプロセスを学んだ。
学生アンケートの結果からは、5つの教育効果がみられた。直感的に扱える3DCADとAIの組み合わせで、設計経験の差に依らず短期間で成果物を完成。限られた時間内で発表までやり遂げ、「自分にもできる」という自信と設計に対する意欲アップがもたらされた。
3Dモデリングでは、天井高や動線、家具配置を体感的に理解しながら設計を進行。平面図中心の学習では得られにくい、3D可視化による空間把握能力の向上につながった。
また、耐震性や断熱性能を数値で確認しながら設計したため、意匠と性能を両立させる実務的視点が育った。
生成AIに関しては、AIを単なる自動化ツールではなく、アイデア発想の補助や表現を洗練させる道具として活用し、その過程で多くの学生が「設計意図を言語化する力の重要性」に気付く教育的効果が見受けられた。
他にも3人1組のチーム設計で、役割分担や合意形成、時間管理といった協働スキルの育成にも寄与。参加した学生からは、「設計は個人作業ではなく、対話と共有によって完成度が高まるものだと理解できた」「。個人で行う設計とは異なり、コンセプトを共有し、役割分担をしながら進めることで、設計意図を言語化し、他者に分かりやすく伝える力が求められることを学んだ」などの協働の重要性を実感するコメントが寄せられた。
今回の取り組みは、学生が将来の進路をより具体的に描く「キャリア教育」としても高い効果を発揮。企業が現場で使用しているツールやワークフローを体験することで、学生にとって自身の適性や今後の課題を客観的に捉え直す機会にもなった。こうした実務直結の体験は、大学教育と実社会とのギャップを縮める新たな建築教育のモデルを示したともいえる。
安心計画は今後も、テクノロジーを活用した実践的な学習機会を継続的に提供し、建築業界を担う次世代人材の育成を支援する方針としている。
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