シールドトンネルのビット交換に遠隔操作ロボ活用、大成建設が実工事に初適用:導入事例
大成建設は、シールドマシンに機械式ビット交換「THESEUS工法」を搭載し、ビット交換用遠隔操作ロボットを用いた機械的なビット交換を実工事に初適用した。
大成建設は2026年4月14日、機械式ビット交換「THESEUS(テセウス)工法」をシールドマシンに搭載し、「ビット交換用遠隔操作ロボット」を使用してシールドマシン内からの機械的なビット交換を実工事に初適用したと発表した。
都市部の地下トンネル工事で用いるシールド工法では、地盤改良などの補助工法を使わずにビット交換が可能になれば、1台のシールドマシンでより長距離を掘進でき、工期短縮やコスト低減につながる。一方、石英分を多く含む砂地盤や巨礫(れき)を含む砂礫層では、先行ビットの摩耗が激しく掘進距離が制限される。頻繁なビット交換による施工中断や交換作業に伴う安全リスクが課題となっている。
THESEUS工法は、大成建設と地中空間開発が2021年に共同開発したシールドマシンの機械式ビット交換工法だ。可動式マンホールとカッターを接続し、シールドマシン内とカッターを一体化することが特徴だ。また、2022年にはカッタースポーク内に予め設置されたレール上を自走する、ビット交換用遠隔操作ロボットを開発した。
大成建設は今回、京都市上下水道局発注「鳥羽第3導水きょ公共下水道工事」において、THESEUS工法をシールドマシンに実装し、性能検証を実施した。
ビット1個当たり約20分で交換
検証では、シールドマシンの隔壁に設けた可動式マンホールをカッター背面受口に接続し、漏水なくシールドマシン内とカッタースポークを連続した空間として構築できると確認した。さらに、遠隔操作ロボットを可動式マンホール経由でカッタースポーク内に搬入し、遠隔操作によるビット交換作業にも成功した。
ビット交換ロボットの活用により、ビット1個当たり約20分で交換が行えた。一連の交換作業に要する時間は、可動式マンホールの接続に約30分、可動式マンホールとカッター背面受口のハッチ取り外しに約20分、ロボット搬入に約10分で対応できることが分かった。
また、これまでの摩耗検知ビットは、地山切削時の衝撃や温度上昇により測定不能になる場合があったが、実証では、ビットを取り外すことで、摩耗検知ができない場合でも摩耗量を直接目視で確認できる。
大成建設は今後、THESEUS工法を長距離シールド工事や巨礫を含む砂礫層を掘進する東京都建設局発注の「石神井川上流地下調節池工事」に適用する他、地上からの施工が制限される工事、残置杭をシールドマシンで直接切削する関西高速鉄道発注の「なにわ筋線JR堀江シールドT他土木工事」などに積極的に導入する。ビット摩耗による掘進不能といった施工リスクの低減を図るとともに、シールド工事の安全性向上と作業効率の改善を目指す。
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