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能登半島地震の復旧工事で活躍した大林組の遠隔施工技術を国交省DXルームで公開i-Construction 2.0(1/2 ページ)

建設現場の働き方の転換や抜本的な生産性/安全性向上策の1つとして、遠隔施工技術が注目されている。国土交通省は本省内にある「インフラDXルーム」で遠隔操作システムの見学会を開催。大林組の汎用遠隔操縦装置「サロゲート」のデモンストレーションを公開した。

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 国土交通省は2025年11月19日、東京都千代田区の本省内にある「DXルーム」で建設機械の遠隔操作システム見学会を開催した。石川県輪島市の能登半島地震の災害復旧現場や大阪府枚方市の大林組西日本ロボティクスセンターに設置されたバックホウを遠隔操縦するデモンストレーションを公開し、国土交通副大臣 佐々木紀氏が視察した。

オペレーターの説明に耳を傾ける国土交通副大臣 佐々木紀氏
オペレーターの説明に耳を傾ける国土交通副大臣 佐々木紀氏 筆者は全て撮影

建機に後付けできる汎用遠隔操縦装置を活用

 国交省が推進する「i-Construction 2.0」では、2040年度までに現場の省人化を少なくとも3割、生産性1.5倍の向上を目標に掲げ、建設現場のオートメーション化に取り組んでいる。遠隔施工技術はその中核技術の1つに位置付けられ、省人化や安全性向上、労働環境の改善、多様な人材活躍などへの効果が見込まれている。2024年に発生した能登半島地震の災害復旧工事に導入された他、ウクライナ復興支援での活用など海外展開も期待されている。

 大林組は汎用遠隔操縦装置「サロゲート」を大裕と共同開発した。2016年のプレリリース以降、災害復旧工事やシールドトンネル工事、解体工事現場など社内外をあわせて約25現場で実績がある。

 サロゲートの特徴について、大林組の担当者は「レトロフィット、つまり後付けできる点にある」と説明する。施工業者が保有する建機の操作レバーやペダル周辺にアクチュエーター(駆動装置)を装着することで遠隔操作に対応。建機本体を改造せずに、ボルト締めやケーブル接続のみで短時間で簡単に着脱可能だ。遠隔操作と搭乗操作は1分程度で切り替えられ、装置を取り外す必要もない。危険箇所は遠隔操作で、通常の作業は搭乗で行うなど作業環境に応じて柔軟に対応する。

後付けで簡単に設置でき、遠隔/搭乗の切り替えも容易
後付けで簡単に設置でき、遠隔/搭乗の切り替えも容易

 1台の操縦席から複数の建機や現場を操作できるため省人化につながる他、現場への長距離移動やキャビンへの乗り降りがなくなることで、高齢者や障害のある人でも柔軟な働き方を選択できる。

能登半島地震の地すべり復旧工事で活用

 大林組は、能登半島地震で斜面が崩落した輪島市曽々木/渋田地区の地すべり復旧工事に、2次被害を防止する目的で遠隔操作技術を導入。工事現場近くの移動式遠隔操縦室と、現場から350キロ離れた千葉県君津市の協力会社から遠隔施工を実施した。被災地から離れた場所に操縦席を設置した背景について大林組の担当者は「被災地では食事をしたり宿泊したりする場所を確保するのが難しい場合もある。復旧作業に当たる人員の負担を減らすという目的もあった」と述べた。

能登半島地震地すべり(曽々木/渋田)緊急復旧工事の概要
能登半島地震地すべり(曽々木/渋田)緊急復旧工事の概要

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