富山県滑川市で22億円投じた大規模カーテンウォール試験棟「N-CueB」の運用開始、YKK AP:製品動向
YKK APは富山県滑川市の製造所に、超高層ビルや大型台風を想定した要求性能にするカーテンウォール試験設備を新設した。
YKK APは、富山県滑川市の「滑川製造所」に大規模カーテンウォール試験棟「N-CueB(エヌキューブ)」を新設し、2026年1月8日から運用を開始した。新設備では、超高層ビルや大型台風を想定した要求性能に対する製品試験が行える。
都市部の再開発などではビルの階高が拡大し、高層化が進んだことでカーテンウォールが大型化、重量化している。また気候変動による記録的な大雨や強風、巨大地震への備えとして、ビル外壁にも高い耐風圧や水密、耐震性能が求められている。
N-CueBは、高さ約27メートル、延べ床面積1630平方メートル、試験エリア1200平方メートルの大規模空間を確保。暴風雨や巨大地震を想定した過酷な環境下で、高層/超高層ビル向けカーテンウォールの性能試験が安定的に実施できる。
対応可能な試験体仕様は、7500(幅)×1万3000(高さ)×3600(奥行)ミリ、重さ40トン。建屋は佐藤工業が設計・施工を担当し、設備は風技術センターが手掛けた。2024年1月に着工し、2025年12月に竣工。建屋と設備を含む総投資額は約22億円となっている。
耐風圧では最大1万2000パスカル(風速約140メートル/秒相当)の静圧試験、水密では7000パスカル±750パスカル(風速約101〜112メートル/秒)の脈動圧試験に対応。耐震性能を確認する層間変位では架台を水平奥や行方向に揺らし、フレームや部材の破損、ガラスの脱落がないかなど、高層階の揺れを想定した条件での検査も行える。
試験フロアでは試験前後に行う製品検査や施工検証、解体検査など各段階の品質検査をワンストップで実施でき、製品の開梱、施工治具の取り付け、荷揚げなどの施工現場での各工程のチェックもシームレスに行える。建物は無柱空間で、屋内での移動式クレーンを使用したプレキャストコンクリートカーテンウォールなどの重量級ユニット試験にも対応。自然光に近い外観検査を実現するため、高演色照明を採用し、年間を通じて快適な環境で試験できるよう床暖房や局所空調も導入している。
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