建設業の倒産が4年連続増加、2025年は過去10年で最多の2021件 帝国データバンク調査:調査レポート
帝国データバンクの調査によると、2025年に発生した建設業の倒産は前年比6.9%増の2021件となり、2013年以来12年ぶりに2000件を超えた。
帝国データバンクは2026年1月13日、2025年に発生した建設業の倒産件数が前年比6.9%増の2021件だったと発表した。4年連続の増加となり、過去10年で最多。2013年の2347件以来、12年ぶりに2000件を上回った。
主な要因として、人件費の急騰や建材価格の上昇、工期延長などによるコスト増に対し、請負単価の転嫁が追い付いていない点が指摘されている。マンション開発や住宅/インフラ修繕、製造設備工事など一定量の需要があり、倒産企業の中にも近年は売り上げを伸ばした企業も多数確認された。手元資金に余裕がなく、増大する運転資金の確保が困難となり倒産に至るケースも多かったという。
人手不足を直接的な要因とした「人手不足倒産」は前年比14.1%増の113件に達した。「物価高倒産」は同4%減の240件で、前年を下回ったものの高水準で推移している。「経営者の病気、死亡」による倒産は78件判明し、2000年以降で最多となった。帝国データバンクの調査によれば、建設業の経営者の平均年齢は60.3歳と全体平均を若干下回るものの、1995年比で6.1歳上昇しており、高齢化の度合いは「不動産業」の6.3歳上昇に次いで2番目に大きい。
地域別では、全国9地域中6地域で倒産が増加。「中国」は前年比18.8%増の120件、「中部」は同17.8%増の291件と増加が目立った。一方、再開発や半導体製造設備などの大規模計画が継続的に進む「北海道」では同19.4%減の50件にとどまった。半導体工場関連の需要が堅調な「九州」も同3.6%減の163件、能登半島地震の復興工事などが進む「北陸」で2.7%減の71件と若干の減少が見られた。
負債規模では「5000万円未満」が全体の57.7%を占め、「10億円以上」の大型倒産は全体の0.7%にとどまった。業歴別では「30年以上」の企業が最多の617件と全体の30.5%を占めた。また、「5〜10年未満」の層が増加基調にあり、460件、構成比22.8%と、2021年比で構成比が8.6ポイント上昇した。創業直後にコロナ禍を経験したことで経営体制の整備や財務面の蓄積が進まず、コスト急騰に対応できなかったとみられる。
業種別では、建物や土木施設などの完成を請け負う「総合工事業」は、過去20年のスパンでみると倒産は低水準にとどまっている。職別工事業では労働集約型の「とび工事業」と「はつり・解体工事業」では人手不足と人件費の上昇を背景に倒産が急増した。「塗装工事業」「防水工事業」「機械器具設置工事業」でも、2000年以降で最多となった。
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