スタンレー電気が60億円投じた技術研究所の新棟完成 2026年2月稼働開始:プロジェクト
スタンレー電気が約60億円を投じ、神奈川県横浜市青葉区で建設を進めていた技術研究所の新棟が完成した。
スタンレー電気が神奈川県横浜市青葉区で建設を進めていた技術研究所の新棟が2025年11月10日に竣工した。研究開発を支える中核拠点として、2026年2月から稼働を開始する。
新棟は、第VIII期中期3カ年経営計画に掲げる「光の独自技術で新市場開拓」を推進するための戦略的投資の一環として新設した。研究開発体制をさらに強化し、未来社会を見据えた技術革新と新たな価値の創出を目指す。
所在地は神奈川県横浜市青葉区荏田西1-3-1で、敷地面積は6817平方メートル。建物規模はRC造地上5階建て、高さ約20メートル、建築面積は2631平方メートルで、延べ床面積は8529平方メートル。工期は旧棟解体が2023年6月で、2024年3月に着工し、2025年11月に完成した。総工費は約60億円。
環境配慮設計として、太陽光発電(想定出力:75キロワット)、高効率空調、断熱構造を採用し、約400トンCO2/年の削減を見込む。
近年、自動車領域では安全性向上のための精密な光制御が求められ、生活/ヘルスケア領域ではウイルスや細胞など極めて微小な対象への技術的アプローチが必要とされている。こうした社会的ニーズに対応するため、新棟にはナノレベル(1ナノメートル=100万分の1ミリメートル)での成膜や加工、分析を可能にする先端設備などを導入する。併せて、研究開発領域へのDX活用を進めながら、これまでにない精度と機能を持つ光デバイスの開発を加速する。
また、光技術のさらなる進化と研究開発の効率化を目的に、これまで複数拠点に分散していた研究開発機能を集約。実験室のワンフロア化や創造性とコミュニケーションを高めるオフィス環境を整備する。テーマや部門の枠を越えた自由な発想と知識の融合を促し、よりスピーディーで革新的な研究開発の実現を図る。
企業や大学、スタートアップとの共創を推進するエリアを設け、オープンイノベーションを促し、社会課題の解決や新しい価値の創出にも挑戦する。
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