現場の“見える／知らせる／守る”を一元化、イスラエル発建設IoTプラットフォーム「Trusstor」：現場管理

ダイテックは、イスラエルの多国籍企業Trusstorが開発した建設IoTプラットフォーム「Trusstor」の日本国内販売代理店として、販売に注力している。ビーコンやIoTタグなど専用デバイスも提供し、人やモノの位置情報や作業進捗をリアルタイムで追跡して、クラウド上で一元的な現場管理が実現する。

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　ダイテックは、イスラエル発の建設IoTプラットフォーム「Trusstor（トラスター）」の日本国内での販売を2025年9月から本格的に開始した。

作業員の位置や作業状況をリアルタイムで可視化

　Trusstorは、軽量スマートバッジやバッテリー駆動のビーコンを活用し、追加工事を伴わず簡便に導入できるIoTプラットフォーム。現場の安全管理や作業進捗をリアルタイムにWebブラウザベースで把握できるだけでなく、複数現場や複数拠点で蓄積されたデータをクラウド上で横断的に分析することで、経営層の迅速かつ的確な意思決定を支援する。

　Trusstorには、安全管理や勤怠管理を自動化する名札型のIoTデバイス「スマートバッジ」、屋内でも位置情報を取得する小型発信機「ロケーションビーコン」、工具や重機、ヘルメットに取り付けるIoTタグ「設備ロケーター」など、専用デバイスの提供も含む。軽量なスマートバッジやバッテリー駆動のビーコンは、配線や通信インフラの追加工事を必要としない。現場の既存オペレーションを妨げず、最小限のリソースで簡単に導入できる。

人用スマートバッジ、ロケーションビーコン、設備ロケーター　出典：Trusstor Webサイト

　クラウド上では、ダッシュボードで作業員や機材の位置を図面と指標で可視化する他、リアルタイム工程表では計画と実作業をIoT連携で同期して工期遅延の早期発見も可能になる。また、経営層向けには複数現場の進捗などのKPIを横断分析し、指摘や是正、担当者割り当て、進捗追跡なども行える。Autodesk Construction Cloud、Procore、Oracle Primaveraなど主要な施工管理ツールとの連携も可能で、現場データと工程管理データを自動でリンクし、進捗や課題を一元管理できる。

「Trusstor」上のダッシュボード　出典：Trusstor Webサイト

　導入効果としては、建設現場で危険エリア侵入や転倒などの兆候を検知し、即時アラートを発する。作業員の勤怠や所在、稼働状況を自動記録して、機材や作業のムダも含めて可視化し、工程のボトルネック解消に寄与する。

　既にニューヨークやドバイなど先進的な建設プロジェクトで採用されており、事故対応の迅速化や業務効率化で成果を挙げている。ダイテックは今後、日本の建設現場特有のニーズを踏まえた導入を推進し、大手ゼネコンをはじめとする企業との共同検証を経て、全国で普及させていく。

　イスラエルテルアビブに拠点があり、2019年に設立した多国籍企業のTrusstorは、ダイテックと販売や流通を超えた「戦略的パートナーシップ（Strategic Partnership）」を締結し、ダイテック社内にTRUSSTOR事業本部を新設した。