建機の燃費改善に超高密度ナノバブル活用、熊谷組などが検証:カーボンニュートラル
熊谷組は、安斉管鉄、東京システムズ、丸紅エネルギーの協力を受け、熊本県発注のダム堤体復旧工事にて、建設機械の燃料に超高密度ナノバブルを混入することで、燃料消費量を低減させる実証実験を実施した。
熊谷組は2025年11月19日、建設機械の燃料に超高密度ナノバブルを混入し、燃料消費量の低減を図る実証実験を行ったと発表した。安斉管鉄、東京システムズ、丸紅エネルギーの協力のもと、熊本県発注の大切畑ダム堤体復旧工事で実施。燃焼効率向上の成果を挙げた。
ナノバブルを用いて燃料の燃焼効率の改善や燃料消費量を低減する取り組みが一部分野で進められているが、装置の複雑さやコストが普及の障壁になっていた。熊谷組は、安価で簡素な超高密度ナノバブル発生装置に着目し、建設機械での燃料消費量の低減効果を検証する実証を行った。
一般的な水中の泡は直径100マイクロメートル程度だが、ナノバブルは特殊な装置で生成された直径50マイクロメートル以下の微細な泡が自己収縮し、50〜300ナノメートルサイズになったもの。今回熊谷組が使用した技術は、このナノバブルの密度に特長がある。
従来の装置では最高1ミリリットル当たり1億個が限界だったが、同技術では1mL当たり10億個以上という超高密度を実現した。超高密度ナノバブルを燃料に溶け込ませることで、燃料の粘性を低減させ、燃焼効率が向上。結果として、燃料消費量改善とCO2排出量削減につながる。
実証は、大切畑ダム堤体復旧工事現場にて、1.4立方メートルのバックホウ、0.8立方メートルのバックホウ、45kVA発動発電機の3機種に超高密度ナノバブル発生装置を設置し、燃料消費量を比較した。その結果、全ての試験機械で、超高密度ナノバブル発生装置を使用した場合に燃料消費量の低減効果が確認された。
熊谷組は今後、建設現場の脱炭素化推進として、超高密度ナノバブル技術を他工事にも展開する。また現在、従来型のナノバブル技術が適用されている水質浄化や農業などの他分野への導入も検討し、業界の枠を超えた利用を目指す。
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