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“借りて返す”から広がるSDGs時代のレンタルビジネス 空気から水を生む給水機などメンテナンス・レジリエンスTOKYO2025(1/2 ページ)

「借りて使って返す」。そのシンプルな仕組みを社会課題の解決へと拡張する総合レンタル企業「レント」。メンテナンス・レジリエンスTOKYO2025では、環境/資源/共生にわたる多彩な製品を出品し、循環型社会に向けたレンタルの新たな可能性を示した。

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 建設用機械器具から産業用機械まで幅広くレンタルを手掛ける総合レンタル企業のレントは、「メンテナンス・レジリエンスTOKYO2025」の構成展示会「第19回 インフラ検査・維持管理・更新展」(会期:2025年7月23〜25日、東京ビッグサイト)に出展した。

 ブースのコンセプトは「借りて使って返す、それだけ〜レントが提案する循環型社会〜」。最新の安全対策機器や隠れた便利機械から、サステナビリティーにつながるサービスまで幅広く紹介した。

メンテナンス・レジリエンスTOKYO2025のレントブース
メンテナンス・レジリエンスTOKYO2025のレントブース 写真は全て筆者撮影

現場に置くだけで空気から水を生み出す、新発想の装置

 空気から水を作り出すウオーターサーバ「AIRLITH(エアリス)」は、アクアテックが開発した製品だ。アクアテックは「資源を生み出す」という社会的使命のもと、ライフラインを支える製品開発に取り組んでいる。

写真右が空気浄水器「AIRLITH」。左は参考出品されたシャープの「アイスラリー冷蔵庫」
写真右が空気浄水器「AIRLITH」。左は参考出品されたシャープの「アイスラリー冷蔵庫」

 エアリスは、電源さえあれば水道管工事なしで飲料水を供給し、現場に設置するだけですぐ利用できる。生成能力は、環境条件にもよるが1日約12リットル、1時間あたり500mLペットボトル1本分に相当する。空気浄化用のHEPAフィルターと浄水用の濾過フィルターの交換以外は基本的にメンテナンスフリーで、扱いやすさも魅力だ。ペットボトル飲料を不要にし、海洋プラスチックごみ問題の軽減につながり、運搬や焼却時に発生するCO2も削減する。

 レントはAIRLITHのレンタルを唯一手掛けており(展示会当時)、ブース担当者は「現在10台ほど保有しているが、大手ゼネコンを中心に引き合いが多く、ほぼ出払っている状態だ」と人気ぶりを強調し、今後はレンタル台数を拡充していく計画を明らかにした。

資源を循環させる鉛蓄電池の再生技術 コストが約半減に

 「バッテリー再生システム(BRS:Battery Reuse System)」は、鉛蓄電池の劣化過程で進む化学反応を可視化し、逆行させて容量を回復させる技術だ。レントが独自に開発し、20年にわたる研究と実運用の蓄積があり、これまでに5件の特許を取得している。

 従来はバッテリー劣化状態を把握できず、寿命の目安だけで更新の判断をしていた。BRSを活用すれば状態を適切に診断し、再生によってライフサイクルコストを大幅に抑制できる。非常用蓄電池の工事では、バッテリー交換をすると約610万円掛かるところ、BRSの再生で約330万円に抑え、約50%のコスト削減につながったという。

 再生日数は、バッテリー容量にもよるが3日程度。専門チームが対応するため、安心して任せられる。実績は1000件近くあり、大阪・関西万博のサウジアラビア館では予備電源として採用されているという。

BRSの説明ボード
BRSの説明ボード

 ブース担当者は「再生することで、不要なバッテリーを製造する必要がなく、省資源にもつながる技術だ。現在の対象エリアは東京中心だが、今後は大阪、九州へと販路を広げていきたい」と展望を語った。

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