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橋梁の損傷/健全度診断をAIが支援、青森県が定期点検に導入 鹿島建設:AI
鹿島建設と青森県は、橋梁の損傷/健全度診断を支援するWebシステム「BMStar_AI」を開発し、県の橋梁定期点検に導入した。
鹿島建設は2025年11月17日、青森県と共同で、AIが橋梁(きょうりょう)点検を支援するWebシステム「BMStar_AI(ビーエムスター エーアイ)」を開発し、県の橋梁定期点検で運用していると発表した。画像を基に、橋梁の損傷範囲や程度の検出、区分評価、健全度診断をサポートする。
BMStar_AIは、点検技術者がスマートフォンやタブレットで撮影した損傷箇所の画像をAIが自動識別し、診断結果を即座に表示するシステム。
コンクリート橋では、ひび割れ、剥離/鉄筋露出、漏水/遊離石灰の損傷をAIが検出、区分評価し、健全度を診断。鋼橋では、損傷箇所の画像からダイレクトに健全度診断を行い結果を表示する。カメラなどで撮影した複数枚の画像を一括で読み込み、診断する機能も備えている。
剥離/鉄筋露出と漏水/遊離石灰の検出/区分評価機能は国土交通省の「橋梁定期点検要領(令和6年7月)」に基づいているため全国のコンクリート橋定期点検に適用可能。
鹿島建設と青森県は2006年に橋梁アセットマネジメント支援システム「BMStar」を共同開発し、継続して運用してきた。BMStar_AIは、BMStarに蓄積された点検データをAIの教師データとして活用。点検技術者の経験値や技量によるばらつきの少ない、より正確な診断が可能になる。
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