北海道新幹線工事現場で再エネ活用、オフサイトPPAで調達 鉄建建設と東急不動産:カーボンニュートラル
鉄建建設は東急不動産HDグループとオフサイト型コーポレートPPAを締結し、東急不動産が北海道内に保有する「リエネ松前太陽光発電所」で発電した再エネ由来の電力を、鉄建建設の渡島(天狗)JV、内浦(東川)JVで活用している。
鉄建建設は2025年11月5日、東急不動産、リエネとオフサイト型コーポレートPPA(電力購入契約)を締結したと発表した。東急不動産が北海道内に保有する「リエネ松前太陽光発電所」で発電した再エネ由来の電力を、リエネを通じて、鉄建建設などが施工する北海道新幹線の工事現場に供給する。
鉄建建設グループは、現場や事業所での再エネ電力の100%使用を推進している。今回再エネ電力を導入するのは鉄道建設・運輸施設整備支援機構発注の鉄建建設/アイサワ/西江/北土「北海道新幹線、渡島トンネル(天狗)他」特定建設工事共同企業体(渡島(天狗)JV)と、鉄建建設/TSUCHIYA/西江/アラタ「北海道新幹線、内浦トンネル(東川)」特定建設工事共同企業体(内浦(東川)JV)。
電力供給は2025年11月1日に開始。年間約8000トンのCO2排出量削減を見込んでおり、これは鉄建建設のGHG削減目標基準年(2022年度)のスコープ2(1万1530トン)の約7割に相当する。
オフサイトコーポレートPPAとは、発電事業者が敷地外(オフサイト)に設置した再生可能エネルギー発電設備で発電した電力を、電力系統を介して需要家(企業など)が調達する契約形態を指す。あらかじめ合意した期間/価格で、安定的に再エネ電力を調達できるのが特徴だ。PPA導入は鉄建建設として初の試み。
鉄建建設は、道内発電所から道内需要地へ再エネ電力を供給する「地産地活」により、需要地の脱炭素化と地域内での経済循環を促進し、持続可能で地域に根差した経済活動の活性化につなげていく。
鉄建建設は2022年度を基準年に、グループのスコープ1+2排出量を2030年度までに42%、スコープ3排出量を2030年度までに25%削減する目標を設定し、短期目標で1.5℃水準のSBT認定を取得している。また、2050年度までにスコープ1〜3排出量を100%削減(カーボンニュートラル)することを目指している。
東急不動産HDグループの中核会社である東急不動産は、2022年に100%再エネへの切り替えを完了。この実績が評価され、2024年には国際的な環境イニシアティブ「RE100」事務局であるCDPにより、国内事業会社として初めて目標達成が認定された。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
ZEH:『ZEH-M』と全住戸『ZEH』の基準を満たす分譲マンションが世田谷に完成、大京と穴吹工務店
大京と穴吹工務店が東京都世田谷区で開発を進めてきた分譲マンション「ザ・ライオンズ世田谷八幡山」が竣工した。ZEH区分最高ランクの『ZEH-M』と全住戸『ZEH』の基準を満たしている。
プロジェクト:大阪東梅田に都市型データセンター竣工、サンケイビル
サンケイビルと関西テレビが大阪市の東梅田エリアで開発を進めてきた都市型データセンター「オプテージ曽根崎データセンター(OC1)」が、2025年9月30日に竣工する。運用開始は2026年1月29日の予定。
カーボンニュートラル:生涯CO2収支ゼロ目指す戸建て住宅発売、自社製品由来の再エネ活用 旭化成ホームズ
旭化成ホームズは、住宅の生涯CO2収支ゼロを目指す戸建新商品「earth-tect」の販売を開始した。自社製品由来の再エネ電力や環境価値を活用する。
熱中症対策:再エネ100%のNTN製コンテナで「涼」提供、自転車ロードレースで熱中症対策に活用
NTNが開発したコンテナタイプの移動型独立電源「N3 エヌキューブ」が、国際自転車ロードレース「THE ROAD RACE TOKYO TAMA 2025」で、空調設備付きの休憩所に活用された。風力と太陽光の再生可能エネルギー100%でエアコンを稼働させ、熱中症対策として涼しく快適な空間を提供した。
ロジスティクス:神奈川県綾瀬市に延べ11.7m2の物流施設、綾瀬市と災害時使用の協定締結
東急不動産は2025年5月に竣工した神奈川県綾瀬市の物流施設「LOGI'Q 綾瀬」について、綾瀬市と災害時利用に関する協定を締結した。敷地内にはマンホールトイレやかまどベンチ、共用部には簡易トイレや寝具にもなるクッションなど、地域住民が一時的に避難できる設備を整備している。
ロジスティクス:名古屋に延べ2.3万m2の物流施設完成、大林組が開発 コーポレートPPAで再エネ活用
大林組が愛知県名古屋市で開発を進めていた物流施設「OAK LOGISTICS CENTER 名古屋」が、2025年5月31日に竣工した。屋上に設置した太陽光発電設備から電力の供給を受け、需要の約8割を賄うことで、年間約86トンのCO2排出量を削減する。
