『ZEH-M』と全住戸『ZEH』の基準を満たす分譲マンションが世田谷に完成、大京と穴吹工務店:ZEH
大京と穴吹工務店が東京都世田谷区で開発を進めてきた分譲マンション「ザ・ライオンズ世田谷八幡山」が竣工した。ZEH区分最高ランクの『ZEH-M』と全住戸『ZEH』の基準を満たしている。
大京と穴吹工務店は2025年9月24日、東京都世田谷区で開発を進めていた分譲マンション「ザ・ライオンズ世田谷八幡山」が竣工したと発表した。住棟全体で一次エネルギー消費量を100%以上削減する『ZEH-M』(ゼッチマンション)と、住戸ごとで100%以上削減する『ZEH』(ゼッチ)の両方の基準を満たす。入居開始は2025年9月30日から。
太陽光発電設備やコジェネシステムなどを導入
ザ・ライオンズ世田谷八幡山は、RC造、地上3階建て、総戸数52戸で間取りは1LDK+DEN〜3LDK(43〜84.31平方メートル)の18タイプ。京王線「八幡山」駅から徒歩3分の第一種低層住居専用地域に位置する。設計は共同エンジニアリング、施工は穴吹工務店が手掛けた。
建物の断熱性能/省エネ性能向上と屋上に設置した共用部/住戸用の太陽光発電により、基準比より全住戸で120%以上、住棟で110%以上の一次エネルギー消費量削減を実現。両社によると、国内分譲マンションがZEH区分最高ランクの『ZEH-M』と全住戸『ZEH基準』を達成したのは今回が初めて。2023年7月には、BELS (建築物省エネルギー性能表示制度)評価書も取得している。
専有部には蓄電池とエネファームを導入した。共用部には、大型蓄電池や井戸を備え、災害時に電気やガス、水道が途絶しても自宅で1週間以上生活を維持できる大京の防災システム「SONA-L SYSTEM(ソナエルシステム)」を採用している。停電時、日中は太陽光発電設備と蓄電池、エネファーム、夜間は蓄電池とエネファームで電力を供給し、専有部のコンセントやエアコン、冷蔵庫などが使用可能。共用部の照明やエレベーター、給水ポンプなどへも電力を供給する。
平常時は、共用部の電力を太陽光発電設備でまかない、井戸水を植栽自動灌水や散水に活用することで、環境負荷と維持管理コスト削減を図る。
太陽光発電やエネファームなどを使用しても不足する電力は100%再エネ由来の電力で賄う計画。ガスも実質100%カーボンニュートラルLNGの都市ガスを導入する。
大京と穴吹工務店は、2025年8月末時点で計79件(竣工べース)のZEH-M仕様マンションを手掛けている。
物件では、敷地内緑地率は26%を確保。構成樹種は全て在来種とし、一部では既存樹木の保護と継承を目的にツリーバンクも活用する。武蔵野に生息する野鳥やチョウの飛来を想定し、実のなる植物やバードバスを設置するなど地域との共生も目指す。
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